冬の服装と防寒具(Winter clothing)
カナダの冬は地域によって氷点下が長く続き、風が強い日は肌が数分で凍ることもあります。重ね着をして風を通さない上着を着る、手・足・顔・耳を守る、ぬれたらすぐ着替える、の3つが基本です。外に出る前に体感温度(ウィンドチル)を確かめます。
カナダの冬の寒さ
カナダ保健省(Health Canada)の寒さについてのページ(新しいタブで開く)は、カナダの冬は世界でも特に厳しいとしています。「ひどい寒さ」の基準は地域の気候で違います。ふだんよりぐっと冷え込んだ日は、どの地域でも注意が必要です。
寒さで特に気をつけたいのは、次の3つです。
| 症状 | どんな状態か |
|---|---|
| 風焼け(windburn) | 冷たい風で肌の油分が奪われ、乾燥、赤み、痛み、かゆみが出る |
| 凍傷(frostbite) | 手、足、鼻、耳など心臓から遠いところの血の流れが悪くなり、皮膚が凍る。軽いうちは皮膚が黄色っぽいか白くなる |
| 低体温症(hypothermia) | 体の中心の温度が1〜2°C下がると震えや手のしびれが出る。さらに下がると動きや考えが鈍くなり、命にかかわる |
体感温度(ウィンドチル)を確かめる
風が吹くと、実際の気温より寒く感じます。これをウィンドチル(wind chill)と呼びます。カナダ環境・気候変動省(Environment and Climate Change Canada、ECCC)は、気温が0°C以下で風速が5km/h以上のとき、天気予報にウィンドチルを入れます。
たとえば気温が-20°Cで風速30km/hのとき、ウィンドチルは-33です。物の温度が-33°Cまで下がるわけではありませんが、肌は-33°Cのように熱を奪われます。
ECCCのウィンドチルのページ(新しいタブで開く)による、ウィンドチルの値と危険の目安です。
| ウィンドチル | 危険の度合い | 出ている肌が凍るまでの目安 |
|---|---|---|
| 0〜-9 | 低い | 少し不快 |
| -10〜-27 | 中くらい | 備えがないまま長く外にいると、低体温症や凍傷のおそれ |
| -28〜-39 | 高い | 10〜30分 |
| -40〜-47 | とても高い | 5〜10分 |
| -48〜-54 | 深刻 | 2〜5分 |
| -55以下 | 非常に危険 | 2分未満 |
風速が50km/hを超える風が続くときは、これより早く凍ることがあります。ECCCは、肌が凍るような寒さが見込まれるときに寒さの警報を出します。
服装の基本
カナダ保健省がすすめる服装のポイントです。
- 重ね着をする。 一番外側は風を通さないものにします。暑くなったら汗をかく前に1枚脱ぎ、寒くなったら1枚足します。
- 素材を選ぶ。 化学繊維やウールは保温性が高いとされます。汗を肌から離す化学繊維を選ぶと、体がぬれにくくなります。
- 手・足・頭・首を守る。 暖かい靴下、手袋、帽子、マフラーを身につけ、マフラーで鼻もおおいます。
- ぬれたらすぐ着替える。 ぬれていると体の熱が早く奪われます。
- 晴れた日も肌を守る。 サングラス、リップクリーム、日焼け止めを使い、保湿して風焼けを防ぎます。
スキー、スノーモービル、スケートなどをするときは、フェイスマスクとゴーグルで顔を守ります。外では手足を動かし続けると、血の流れが保たれます。
寒さに弱い人
だれでも寒さの影響を受けますが、カナダ保健省は特に次の人が凍傷や低体温症になりやすいとしています。
- 1歳未満の赤ちゃん、65歳以上の人
- 外で働く人、冬のスポーツをする人
- 糖尿病や血管の病気など、一部の持病のある人
- 一部の薬(ベータ遮断薬など)を飲んでいる人
- 断熱の弱い家や、暖房・電気のない家に住む人
持病がある人は、寒さで危険が増えるかどうかを医療者に相談するようすすめています。心臓に持病がある人は、雪かきのような激しい作業を避けたほうがよい場合があります。
凍傷・低体温症になったら
- 凍傷:こすったり、もんだりしない。暖かい部屋に移って毛布で包み、体温より少し温かい湯で温める。ひどい凍傷はすぐに医療を受ける。
- 低体温症:震えや手のしびれの段階では、建物の中に入り、ぬれた服を乾いたものに替え、毛布で包み、温かく甘い飲み物をとる。親指と小指がくっつけられないほど動きが鈍いときや意識がないときは、911に電話する。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の冬のコートや靴では、カナダの多くの地域の冬に足りないことがあります。風を通さない上着、手袋、帽子、マフラー、暖かい靴下をそろえ、天気予報の気温だけでなくウィンドチルも見て服を決めます。
- 寒い日のお酒は、体が温まったように感じても、実際には熱を失いやすくなり、低体温症の危険が増えるとされています。
- 冬の嵐で外に閉じ込められたときは、建物や車などに避難し、その中でも体を動かし続けます。車で出かけるときの備えは車に積む冬の非常用品の記事で扱います。
- 凍った道での転倒の防ぎ方は凍結した道の記事でも扱います。
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