冬の服装(重ね着・ブーツ・手袋)(Dressing for the cold)
カナダの冬は、厚いコート1枚より、薄い服の重ね着が基本です。肌に近い層はウールや化学繊維にし、いちばん外に風を通さない上着を着ます。綿を避ける理由、手袋とミトンの使い分け、ブーツと靴下の選び方を、保健省とカナダ労働安全衛生センターの案内からまとめます。
基本は重ね着
保健省(Health Canada)は、寒い日は服を重ねて着て、いちばん外に風を通さない上着を着るよう勧めています。カナダ労働安全衛生センター(Canadian Centre for Occupational Health and Safety、CCOHS)も、厚い服1枚より、何枚かを重ねるほうが寒さから体を守れると説明しています。
重ね着には、暑くなったら1枚脱ぎ、寒くなったら着るという調整がしやすい利点もあります。CCOHSは、汗をかきすぎる前に開けたり脱いだりしやすい服を選ぶよう勧めています。カナダの冬は、外は氷点下でも、建物やバスの中は暖房がよく効いています。出入りのたびに調整できる服装が便利です。
3つの層の考え方
| 層 | 役割 | 素材の例(CCOHS・保健省の案内) |
|---|---|---|
| 肌に近い層 | 汗を肌から逃がし、体温を保つ | ウール、ポリエステル、ポリプロピレンの肌着 |
| 中間の層 | 空気をためて熱を保つ | ウール、化学繊維のフリースなど |
| いちばん外の層 | 風と雪をさえぎる | 風を通さない上着 |
保健省は、化学繊維とウールは熱を保つ力が高いとしています。
綿を避ける理由
CCOHSは、綿の服を勧めていません。綿は湿りやすく、ぬれると熱を保つ力を失うためです。ウールや化学繊維はぬれても熱をある程度保ちます。ブリティッシュコロンビア州の健康情報サービス(HealthLink BC)も、綿ではなく、ウールやポリエステル、ナイロンなど汗を逃がす素材の乾いた服を勧めています。
ぬれた服は体の熱を早く奪います。保健省は、ぬれたらできるだけ早く乾いた服に着替えるよう勧めています。CCOHSも、暖かい建物に入る前に服の雪を払うよう案内しています。
頭・顔・首
- 保健省は、帽子とマフラーを身に着け、マフラーで鼻もおおうよう勧めています。
- CCOHSは、耳まで温かく保てる帽子を勧めています。
- 環境・気候変動省(ECCC)の目安では、体感温度が−28を下回ると、出ている肌が10〜30分で凍ることがあります。顔や耳を出さない服装が大切になります。体感温度の見方は「体感温度(Wind chill)の見方」にまとめています。
- メガネやゴーグルは、吐く息で曇ったり凍ったりしやすくなります。CCOHSは、目を守る道具を鼻や口から離すよう案内しています。
手袋とミトン
指が分かれた手袋(Gloves)と、親指だけが分かれたミトン(Mittens)があります。CCOHSは、屋外で働く人向けに次の目安を示しています(細かい手作業が要らない場合)。
| 気温 | 目安 |
|---|---|
| 4°C未満(軽い作業) | 手袋を使う |
| −7°C未満(中程度の作業) | 手袋を使う |
| −17°C未満 | ミトンを使う |
これは仕事の場面の目安ですが、寒さが厳しいほど指どうしが触れ合うミトンを選ぶという考え方は、日常の外出の参考にもなります。
ブーツと靴下
ブーツ
CCOHSは、寒い場所での重い作業には、内側にフェルトの裏地があり、底がゴムで、上部が革のブーツが向いていると説明しています。取り外せるフェルトの中敷きがあると、乾かしやすくなります。革は通気性があり、汗が逃げやすい素材です。
靴下
CCOHSは、厚手の靴下を1足、または2足を重ねる方法を紹介しています。2足のときは、内側に薄い絹・ナイロン・ウールの靴下、外側に少し大きめの厚い靴下をはきます。
ただし、靴下が厚すぎてブーツがきつくなると、靴下がつぶれて温かさが失われます。ブーツは、冬に履く靴下をはいた状態で合わせると安心です。
出かける前の確認
- 天気予報で、気温だけでなく体感温度を確かめる。
- 肌着・中間の服・風を通さない上着を重ねる。綿の肌着は避ける。
- 帽子、マフラー(鼻までおおう)、手袋かミトン、暖かい靴下をそろえる。
- 暖かいブーツを履く。
- 替えの手袋や靴下を持つ。ぬれたら早めに替える。
政府の防災ページも、どうしても外に出るときは天候に合った服装をするよう勧めています。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の冬の服装より、帽子・マフラー・手袋・ブーツの役割が大きくなります。地域によっては、体感温度が−30や−40になる日があります。
- 室内は暖房がよく効いていることが多く、厚着のままでは汗をかきます。脱ぎ着しやすい重ね着が向いています。
- 綿の肌着は、汗でぬれると冷えの原因になります。
- 冬に到着する場合は、空港から住まいまでの移動の間も寒さにさらされます。到着時に着る防寒具を手荷物に入れておくと安心です。
- 凍傷が疑われるときの手当ては「凍傷と低体温症」にあります。
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