BC州の地震と津波への備え(Earthquakes and tsunamis in British Columbia)
カナダで地震の危険が最も高いのは、ブリティッシュコロンビア州(BC)の太平洋岸です。揺れたら「Drop, Cover and Hold On」で身を守り、海の近くでは揺れがおさまったらすぐ高い所へ移ります。BCの地震の特徴、地震の早期警報、津波の警報の4つの段階と5つの地域、家の備えをまとめます。
カナダの地震とBC
天然資源省(Natural Resources Canada、NRCan)は、カナダで毎年5,000回を超える地震の位置を特定しており、そのうち人が揺れを感じるのは約50回です。地震の危険が高い地域として、BCの沿岸部、セントローレンス川とオタワ川の流域、3つの準州、大西洋側の州が挙げられています。地震は予知できません。
BC州政府の防災サイト PreparedBC(新しいタブで開く)によると、BCの地震のほとんどは小さくて感じられませんが、建物に被害が出るほどの地震はおよそ10年に1回起きています。地震の危険が最も高いのは西の沿岸部で、地震のあとに津波が来るおそれもあります。
西部の地震の特徴
NRCanのカナダ西部の地震のページ(新しいタブで開く)によると、カナダ地質調査所は西部で毎年1,000回を超える地震を記録しています。
- カスケード沈み込み帯(Cascadia subduction zone):バンクーバー島の西で、フアン・デ・フカ・プレートが北米プレートの方へ年に約2〜5cm動いています。BC南西部では毎年300回ほどの小さな地震が起きます。この沿岸では、大きな沈み込み型の地震が300〜800年ごとに起きてきたことが地質から分かっており、1700年ごろにも起きています。
- 1946年:バンクーバー島の中部でマグニチュード7.3の地震が起き、被害が出ました。
- 1949年8月22日:ハイダ・グワイ付近のクイーン・シャーロット断層で、マグニチュード8.1の地震が起きました。
揺れたとき:Drop, Cover and Hold On
連邦政府の地震の備えのページ(新しいタブで開く)とBC州政府は、揺れを感じたら「Drop, Cover and Hold On」で身を守るよう案内しています。
- Drop:揺れで倒れる前に、床に伏せる(手とひざをつく)。
- Cover:丈夫な机やテーブルの下にもぐる。家具がなければ、窓から離れた部屋の内側の角でかがむ。
- Hold On:もぐった家具をつかんで離さない。
場所ごとの動き方
- 車いすの人:車輪にロックをかけ、危ない物から体の向きを変え、頭と首を守る。
- 外にいるとき:建物や電線から離れた、開けた場所へ移る。
- 車の中:安全な所に止め、パーキングブレーキをかけて車の中にとどまり、ラジオで情報を聞く。
地震の早期警報
NRCanは、強い揺れが来るおそれがあるときに知らせる地震の早期警報(Earthquake Early Warning、EEW)を運用しています。対象はBCの西部で、オンタリオ州東部とケベック州にも広がりました。警報は、全国の緊急警報の仕組みを通じて、対応するスマートフォン、ラジオ、ケーブルテレビや衛星放送に届きます。緊急警報の仕組みは「緊急警報システム(Alert Ready)」で扱います。
震源に近い所では、警報と揺れがほぼ同時になることがあります。震源から遠いほど、早く知らせを受け取れます。NRCanは、警報を受けたら次のように動くよう案内しています。
- 手とひざを床につく。
- 丈夫な家具の下にもぐる。
- 片方の腕でもぐった物をつかみ、もう片方の腕で頭と首を守る。揺れがおさまってから60秒たつまで続ける。
揺れがおさまったら
連邦政府の案内では、次の点が挙げられています。
- 落ち着いてまわりの様子を確かめる。余震に備える。
- ガス漏れ(においで分かる)と、切れた電線がないか確かめる。
- 緊急の回線が混まないよう、電話はかけずにテキストメッセージを使う。
津波への備え
BC州政府の津波のページ(新しいタブで開く)は、海の近くで地震が起きたら、まず「Drop, Cover and Hold On」で身を守り、揺れがおさまったら津波に備えて高い所へ移るよう案内しています。
- 津波の避難経路が決まっている地域では、その経路で高い所へ移る。
- 避難の地図がない地域では、できるだけ高い所か、海から離れた内陸へ移る。
- 地元の当局から「安全になった(all clear)」と知らせがあるまで、高い所にとどまる。津波は数時間続くことがあります。
- 波を見に浜へ行かない。津波は人が走るより速く動くことがあります。
津波の警報の段階
BCの津波の知らせには、次の段階があります。
| 段階 | 意味 | 動き方 |
|---|---|---|
| 警報(Warning) | 浸水する波のおそれ | すべての人の避難が勧められる |
| 注意報(Advisory) | 強い流れが起きるおそれ | 海岸に近づかない |
| 監視(Watch) | 危険の程度がまだ分からない | 新しい情報に気をつける |
| 情報(Information Statement) | 起きても小さな波 | 特に動く必要はない |
| 解除(Cancellation) | 潮位計で波が見られない | 地元の安全を確かめる |
警報は、テレビ、ラジオ、携帯電話の緊急警報、地元の当局の仕組みで伝えられます。BC州の公式の最新情報は、EmergencyInfoBC で出されます。
津波の知らせの5つの地域
| 地域 | 範囲 |
|---|---|
| A | 北部の沿岸とハイダ・グワイ |
| B | 中部の沿岸とバンクーバー島の北東岸(キティマット、ベラクーラ、ポートハーディなど) |
| C | バンクーバー島の西岸(ケープ・スコットからポート・レンフルーまで) |
| D | フアン・デ・フカ海峡(ジョーダン・リバーからビクトリア都市圏まで) |
| E | ジョージア海峡、ガルフ諸島、バンクーバー都市圏、ジョンストン海峡 |
家の備え
連邦政府の案内は、背の高い家具を壁の柱に固定し、給湯器、冷蔵庫、こんろ、洗濯機、乾燥機などの重い家電も固定するよう勧めています。揺れで動くと、ガスや水道の管が壊れるおそれがあるためです。
賃貸住宅で壁に固定具を付けるときは、家主との取り決めによります。水や食料、薬などをまとめた備えは「72時間の非常用キット」で扱います。
日本との違い・注意点
- BCでも、地震の動き方の基本は「伏せる・もぐる・つかまる」です。揺れの最中に外へ走り出さず、その場で身を守ります。
- 津波の知らせは、BCでは警報・注意報・監視・情報・解除の段階と、AからEの5つの地域に分けて出されます。住んでいる所や旅行先がどの地域かを知っておくと、知らせを受けたときに動きやすくなります。
- 地震の早期警報は、対応する携帯電話などに届きます。震源に近いと、揺れと同時か揺れのあとに届くことがあります。
- 命に関わるときは911に電話します。
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