裁判所の仕組み(Canada's court system)
カナダの裁判所は、州・準州の裁判所、州の上位裁判所、控訴裁判所、カナダ最高裁判所の階層と、連邦裁判所などの全国の裁判所からなります。どの裁判所がどんな事件を扱うのか、最高裁判所の仕組みとあわせてまとめます。
州の裁判所と全国の裁判所
カナダ司法省(Department of Justice)の裁判所制度の解説(新しいタブで開く)によると、カナダには、州・準州ごとの裁判所と、全国を管轄する裁判所があります。その全体の頂点にあるのが、カナダ最高裁判所(Supreme Court of Canada)です。
役割の分け方は次のとおりです。
- 連邦政府:各州・準州の上位裁判所(superior courts)の裁判官を任命し、給与を払います。最高裁判所と、連邦が作ったほかの裁判所の運営も担当します。
- 州・準州:自分の管轄の裁判所に必要なもの(裁判所の建物、職員、資源)を用意します。
憲法上の権限の分け方は「連邦と州の役割分担」で扱います。
裁判所の階層
司法省の裁判所の構成のページ(新しいタブで開く)をもとに、主な裁判所をまとめます。
| 階層 | 裁判所 | 主に扱うもの |
|---|---|---|
| 最上位 | カナダ最高裁判所 | カナダの最終の上訴審 |
| 上訴 | 州・準州の控訴裁判所(Court of Appeal) | 州の上位裁判所と、州・準州の裁判所の判決への上訴 |
| 上訴 | 連邦控訴裁判所(Federal Court of Appeal) | 連邦裁判所とカナダ租税裁判所の判決への上訴、一部の連邦の審判所の決定の審査 |
| 第一審 | 州・準州の上位裁判所 | 最も重い刑事事件と民事事件(離婚、高額の争いなど) |
| 第一審 | 州・準州の裁判所(provincial/territorial courts) | 最も重いものを除く多くの刑事事件、少額の民事の争い(少額訴訟) |
| 第一審 | 連邦裁判所(Federal Court) | 移民や特許など、法律で割り当てられた連邦の事件 |
| 第一審 | カナダ租税裁判所(Tax Court of Canada) | 連邦の税金の法律についての争い |
司法省の連邦の裁判所のページ(新しいタブで開く)によると、連邦の裁判所の系統(連邦裁判所と連邦控訴裁判所)は、州・準州の裁判所の系統と並ぶ形でつくられています。軍の裁判所(軍法会議、courts martial)は国防法(National Defence Act)にもとづき、軍の規律に関する事件を扱います。
このほかに、行政の審判所(administrative tribunals)もあります。少額の争いの手続きは「少額訴訟」で扱います。
専門の裁判所
州・準州の裁判所の中には、特定の事件を扱う専門の裁判所や手続きがあります。司法省のページは、次の例を挙げています。
- 少年裁判所(Youth courts):連邦の少年司法の法律で起訴された12歳から17歳の人の事件
- 家庭裁判所(Family courts):離婚や財産の請求など、家族法の事件
- 薬物治療裁判所(Drug Treatment Court):依存症が背景にある、暴力をともなわない犯罪で起訴された人のための手続き
- ドメスティック・バイオレンス裁判所(Domestic Violence Courts):家庭内暴力への対応と被害者の支援を改善するための手続き
どの専門の裁判所があるかは、州・準州によって違います。
カナダ最高裁判所
最高裁判所法(Supreme Court Act)(新しいタブで開く)は、最高裁判所の仕組みを次のように定めています。
- 裁判官は、カナダ最高裁判所長官(Chief Justice of Canada)と8人の判事の計9人
- 少なくとも3人は、ケベック州の控訴裁判所・上位裁判所の裁判官、またはケベック州の弁護士から任命する
- 任命できるのは、州の上位裁判所の裁判官(元を含む)か、10年以上の経験がある弁護士
- 裁判官は75歳で退官する
- 5人の裁判官がそろえば、法廷を開くことができる
最高裁判所の説明のページ(新しいタブで開く)によると、最高裁判所は憲法、行政法、刑法、私法のすべての分野の事件を扱います。英語とフランス語の両方で、またコモン・ロー(英米法)と民法(ケベック州の大陸法)の両方の法体系で事件を判断します。
司法省のページによると、最高裁判所で審理してもらうには、多くの場合、上訴の許可(leave to appeal)を得る必要があります。最高裁判所は、毎年平均500〜600件の許可の申し立てを検討し、40〜70件の上訴を審理しています。
日本との違い・注意点
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