首相と内閣(Prime Minister and Cabinet)
カナダの首相は、庶民院の信任を得て保てる見込みが最も高い人で、ふつうは最も多くの議席を得た政党の党首です。首相は閣僚を選び、内閣が政府の政策と優先順位を決めます。内閣は庶民院の信任を保つ必要があります。仕組みをまとめます。
首相の選ばれ方
カナダでは、国民が首相を直接選ぶ選挙はありません。庶民院の議会制度の解説(新しいタブで開く)によると、総選挙のあと、総督(Governor General)が首相(Prime Minister)を選びます。選ばれるのは、庶民院(House of Commons)の信任を得て保てる見込みが最も高い人で、ふつうは最も多くの議席を得た政党の党首です。
市民権の学習用ガイド「Discover Canada(新しいタブで開く)」は、首相が閣僚を選び、政府の運営と政策に責任を持つと説明しています。総督の役割は「立憲君主制と国王・総督」で扱います。
内閣のつくり方
- 首相が、助言役となる人を選びます。ふつうは、与党に属する選挙で選ばれた国会議員です。
- 選ばれた人は、まず枢密院(King’s Privy Council for Canada)のメンバーになります。
- そのうえで、大臣として宣誓します。
大臣たちをまとめて、内閣(cabinet)または「ミニストリー(Ministry)」と呼びます。大臣はそれぞれ担当の分野や省を受け持ち、ほかの国会議員が政務官(parliamentary secretaries)として補佐することが多くあります。
枢密院事務局(Privy Council Office)のミニストリーのページ(新しいタブで開く)によると、内閣は憲法上の慣習(constitutional convention)として、連邦政府の政策と優先順位を決める助言者の集まりです。
責任と信任
内閣の責任には、2つの面があります。
| 責任 | 内容 |
|---|---|
| 大臣一人ひとりの責任 | 省の長として権限を使ったことについて、議会に責任を負う |
| 内閣全体の責任 | 内閣のすべての決定について、まとめて責任を負う |
首相と内閣が政府を運営するには、庶民院の過半数の議員の支持と信任(confidence)を保つ必要があります。Discover Canada は、信任を問う採決で敗れた場合、閣僚は辞任しなければならないと説明しています。
枢密院と枢密院令
枢密院(King’s Privy Council for Canada)は、国王に助言するために任命された人たちの集まりです。枢密院のページ(新しいタブで開く)によると、現職の大臣のほか、元大臣、最高裁判所長官、元総督などもメンバーになります。メンバーは一生「Honourable」の敬称を使い、名前のあとに「P.C.」をつけます。
行政の権限は王冠(the Crown)にあり、首相と内閣の助言にもとづいて「総督と枢密院(Governor in Council)」が行使します。その形式の一つが枢密院令(Order in Council)です。枢密院令のページ(新しいタブで開く)によると、枢密院令は、総督が枢密院(つまり内閣)の助言と同意にもとづいて出す法的な文書です。法律にもとづく規則(regulations)の制定や、次官、政府機関の長、大使などの任命に使われます。
日本との違い・注意点
- 日本では、日本国憲法(新しいタブで開く)第67条により、国会が国会議員の中から内閣総理大臣を指名します。カナダでは、国会の指名の手続きはなく、総督が庶民院の信任を得られる見込みの最も高い人を首相に選びます。
- カナダの閣僚は、ふつう選挙で選ばれた国会議員から選ばれます。
- 州・準州にも、州首相(Premier)と州の内閣があります。州の仕組みは「州議会と州政府」で扱います。
- 総選挙の仕組みは「連邦選挙の仕組み」で扱います。
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