妊娠と出産(Prenatal care: family doctors, midwives and obstetricians)
カナダでは、妊娠中のケアをファミリードクター、助産師(Midwife)、産婦人科医(OB-GYN)のいずれかが担当します。BC州とオンタリオ州では、助産師には医師の紹介なしで直接連絡でき、早めに連絡するよう案内されています。州の医療保険がまだない人は費用が高額になることがあるため、保険の状態を早めに確かめます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
妊娠中のケアは誰が担当するか
カナダでは、妊娠から出産、産後までのケアを担当する人を、プライマリーケアの担当者と呼びます。HealthLink BCのページ(新しいタブで開く)によると、BC州では次のどれかを選べます。
| 担当者 | 特徴 |
|---|---|
| ファミリードクター(Family doctor) | ふだんのかかりつけ医。妊娠・出産のケアをする医師もいる |
| 助産師(Midwife) | 妊娠初期から出産、産後まで担当する。病院のほか、自宅などでの出産にも対応する |
| 産婦人科医(Obstetrician-gynecologist、OB-GYN) | 場合によって、最初から担当する |
持病がある、前回の妊娠で問題があったなど、専門的なケアが必要な場合は、担当者が専門医への相談や紹介を手配します。
妊娠がわかったら、まず担当者を決めるところから始まります。ファミリードクターがいない人は「ファミリードクターの見つけ方」も参考にしてください。
助産師(Midwife)
BC州とオンタリオ州の公式ページは、助産師について次のように説明しています。
- 紹介は不要:医師の紹介なしで、助産師に直接連絡できます(BC州・オンタリオ州)。
- 担当の範囲:妊娠中、出産、産後のケアをし、赤ちゃんのケアもします。オンタリオ州では、健康な妊婦と赤ちゃんについて、妊娠中から産後6週間まで担当すると説明しています。
- 検査:オンタリオ州の助産師は、必要に応じて血液検査や超音波検査を手配します。
- 出産の場所:オンタリオ州では、病院、自宅、出産センター(トロントとオタワのみ)から選べます。BC州でも、病院のほか自宅などでの出産に対応します。
- 医師への引き継ぎ:ケアが複雑になった場合は、ファミリードクターや産科医・小児科医などに紹介します(オンタリオ州)。
オンタリオ州は、助産師が空いているうちに頼めるよう、妊娠のなるべく早い時期に連絡するよう勧めています。助産師による出産は「助産師(Midwife)による出産」で詳しく扱います。
妊婦健診の間隔
HealthLink BCの妊婦健診の予定のページ(新しいタブで開く)は、医師か助産師の健診を受ける間隔の目安を次のように示しています(BC州の案内)。
| 時期 | 健診の間隔 |
|---|---|
| 妊娠28週まで | 4週間ごと |
| 28〜36週 | 2〜3週間ごと |
| 36週から出産まで | 毎週 |
年齢や病気によっては、これより多く受けることがあります。実際の予定は担当者が決めます。
州・準州ごとの違い
妊娠・出産のケアの費用と、助産師の扱いは州・準州で違います。2026年10月時点で確かめられた内容は次のとおりです。
| 州 | 助産師の費用の扱い | 探し方 |
|---|---|---|
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | 医学的に必要な医師・助産師の診療は医療サービス計画(MSP)の給付。助産のサービスは、対象のBC住民向けのBC Midwifery Programの給付 | BC Midwivesの「Find a Midwife」 |
| オンタリオ州 | 州の医療制度の一部で、州の住民は無料 | オンタリオ州助産師協会(Association of Ontario Midwives、416-425-9974、1-866-418-3773) |
| ほかの州・準州 | 州の保健省のページで確かめる | 州の保健省・保健当局 |
州の医療保険の内容は「BC州の医療保険(MSP)」「オンタリオ州の医療保険(OHIP)」などで扱います。
手順
- 妊娠がわかったら、州の医療保険に入っているか、保険がいつ始まるかを確かめる。
- 担当者を決める。ファミリードクターがいればまず相談し、助産師を希望するなら早めに直接連絡する。
- 担当者のもとで妊婦健診(Prenatal visits)を受ける。検査や超音波は担当者が手配する。
- 出産する場所(病院、自宅、出産センターなど)を担当者と相談して決める。
- 出産後は、州の出生登録をする(「出生届と出生証明書(州ごと)」)。
費用
州の医療保険の対象になっている人は、医学的に必要な医師・助産師の診療に窓口負担がないのが原則です(2026年10月時点)。
州の医療保険がまだない人や、対象にならない人は、出産の費用を自分で払うことになり、高額になることがあります。BC Women’s Hospitalの料金の例は「保険がないときの医療費」で扱います。待機期間がある州では、民間の保険が妊娠を補償しないことが多い点にも注意が必要です(「待機期間中の保険」)。ケベック州の待機期間中の扱いは「州の医療保険の待機期間」で扱います。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の妊婦健診とは、担当者の選び方や受診の流れが違います。まず州の医療保険の状態と担当者を確かめるところから始めます。
- カナダ公衆衛生庁の健康な妊娠のガイド(新しいタブで開く)は、妊娠する可能性がある人、妊娠を計画している人、妊娠中の人に、葉酸0.4mgを含むマルチビタミンを毎日とるよう勧めています。
- 飲んでいる薬やサプリメントは、日本から持ってきたものも含めて担当者に伝えてください。
- カナダで生まれた子どもの日本への出生届は、生まれた日を含めて3か月以内に出す必要があり、国籍の留保にも関わります(「出生届と国籍留保」)。
- 日本の公的医療保険(健康保険・国民健康保険)に入ったままカナダで出産した場合も、出産育児一時金を申請できることがあります。厚生労働省のページ(新しいタブで開く)は、出産した時点で有効な加入資格があれば、加入している保険者に申請できるとしています。支給額は1人につき原則50万円で、産科医療補償制度に加入していない医療機関での出産などは48.8万円です(2026年10月時点)。
- 協会けんぽのよくある質問(新しいタブで開く)によると、海外出産の申請には、出産を担当した海外の医師・助産師の証明書、出産した日に海外にいたことがわかる書類(パスポート、ビザ、航空券などの写し)、協会けんぽが海外の医療機関に問い合わせることへの同意書を付けます。証明書が外国語のときは、翻訳者が署名し、住所と電話番号を書いた翻訳文も必要です。国民健康保険の人は市区町村の窓口に確かめます。
- 出産・育児の休業中の給付は「出産・育児の給付(EI maternity・parental)」で扱います。
- 妊娠中に体調が急に悪くなったときは、911に電話するか救急外来へ行きます。急がない相談は「811の電話健康相談」も使えます。
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