市の事業許可(Business licence)
カナダで事業を始めるときは、税金の登録とは別に、市の事業許可(Business licence)や登録が必要になることがあります。バンクーバー市は市内の事業すべてに許可を求め、カルガリー市は登録と場所の承認を求めます。トロント市は業種ごとに許可や検査が決まっています。
事業許可とは
事業許可(Business licence)は、市が出す、その市で事業をするための許可です。市が、事業の場所が安全か、土地の使い方(zoning、用途地域)の決まりに合っているかを確かめるためのものです。
カナダで事業を始めるときの手続きは、主に3つの層に分かれます。
| 層 | 主な手続き | 記事 |
|---|---|---|
| 連邦 | ビジネスナンバー(BN)、GST/HSTの登録、法人の設立(連邦) | 「ビジネスナンバー(BN)とGST/HSTの登録」「会社の設立」 |
| 州 | 事業名の登録、法人の設立(州)、業種ごとの州の免許 | 「会社の設立」 |
| 市 | 事業許可・登録、場所の承認 | この記事 |
市の許可が必要かどうか、どの手続きがいるかは、市ごとに違います。ここでは、バンクーバー市、トロント市、カルガリー市を例に紹介します。
州・準州ごとの違い
州・準州によってちがうから、住んでいる州・準州を確認してね。
市ごとの決まりの違いです(2026年10月時点)。
| 市 | 許可が必要な事業 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| バンクーバー市(BC) | 市内で、または市内から事業をする組織すべて | 許可は毎年12月31日に切れ、更新が必要 |
| トロント市(オンタリオ州) | 業種ごとに決まった許可・検査がある | 業種別の表で、必要な許可や検査を調べる |
| カルガリー市(アルバータ州) | 市内で営業するすべての事業に、登録と場所の承認が必要 | 州や連邦の機関が監督する職業(会計士・弁護士・医師など)は、通常は市の許可がいらない |
バンクーバー市
バンクーバー市の事業許可のページ(新しいタブで開く)によると、市内で、または市内から事業をする組織は、すべて事業許可が必要です。許可を取るのは事業の持ち主で、従業員は取る必要がありません。許可は毎年12月31日に切れるので、オンライン、窓口、郵便で更新します。
申請の流れは、次の7段階です。
- 自分の業種の手順を確かめる
- 予定している場所で、その事業ができるかを確かめる
- 必要な書類をそろえる
- 申請書を出す
- 市の審査を受ける
- 手数料を払う
- 許可が出る
短期の貸し部屋(short-term rental)など、業種によっては別の許可の手順があります。
トロント市
トロント市の事業の規制のページ(新しいタブで開く)によると、トロント市のすべての事業は、開業や営業の前に、必要な許可や検査を受ける必要があります。何が必要かは業種ごとに違い、市のページの業種別の表で調べます。市の事業許可の決まりは、市条例の第545章(Licensing By-Law No. 545)にあります。期限が過ぎた条例違反の罰金を払うまで、許可の発行や更新は受けられません。申請と更新は、市のオンライン窓口で行います。
カルガリー市
カルガリー市の開業のページ(新しいタブで開く)によると、市内で営業するすべての事業は、市に事業を登録し、事業の場所の承認を受ける必要があります。会計士、弁護士、医師など、州や連邦の機関が監督する職業は、通常は市の許可がいりません。市の許可がいらない事業でも、ほかの機関の免許や検査が必要なことがあります。
自宅で営む事業(home occupation)は、条件を満たすと承認が早く進む区分があります。申請は、市の個人アカウント(myID)を作ってオンラインで行います。
手順
市によって違いますが、一般的な流れは次のとおりです。
- 事業の形(個人事業か法人か)を決める(「個人事業の始め方」)。
- 必要なら、州で事業名の登録や会社の設立をする。
- 必要なら、CRAでビジネスナンバーとGST/HSTの口座を作る。
- 事業をする市のページで、その業種と場所に必要な許可・登録を調べる。
- 予定の場所で事業ができるか(用途地域)を確かめてから、店舗や事務所の契約をする。
- 市に申請し、審査と手数料の支払いを経て、許可を受ける。
- 毎年の更新を忘れずに行う。
費用
市の許可の手数料は、市、業種、場所、必要な検査によって大きく変わります。それぞれの市の業種別のページで確かめます。
州の手続きの例として、オンタリオ州では、個人事業やパートナーシップの事業名の登録はオンラインでC$60です(2026年10月時点。オンタリオ州の料金のページ(新しいタブで開く))。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本では、開業届は税務署に出すのが基本ですが、カナダでは連邦・州・市のそれぞれに別の手続きがあることがあります。
- 市の許可は、業種と場所で決まります。自宅で始める事業でも、市の許可や登録が必要な場合があります。
- 店舗や事務所を借りる前に、その場所でその事業ができるかを市に確かめます。
- 在留資格によっては、自分で事業をすることが認められていない場合があります。就労の条件はIRCCかRCIC(登録移民コンサルタント)に確かめてください。
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