自営業の確定申告と経費(Self-employment income and business expenses)
自営業の人は、事業の収入から経費を引いた所得を Form T2125 で個人の確定申告に書きます。経費にできるのは、所得を得るためにかかった、妥当な、個人のものでない費用です。CPPの掛け金は雇用主の分も自分で払い、税額が一定を超えると年4回の分割納付が必要になります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
自営業の所得の申告
法人にしていない自営業の人(個人事業)は、事業の所得を個人の確定申告にまとめて申告します。事業の収入と経費は Form T2125(Statement of Business or Professional Activities)で計算します。個人事業の始め方、申告と納税の期限(申告は6月15日、納税は4月30日)、記録の保存は「個人事業の始め方」にまとめています。この記事では、経費、CPPの掛け金、分割納付を扱います。
業務委託で働いているのか、雇われているのかで、税金の扱いが変わります。その違いは「業務委託と雇用の違い」で扱います。
経費にできるもの
カナダ歳入庁(CRA)の事業の経費のページ(新しいタブで開く)は、所得を得るためにかかった、妥当な(reasonable)当期の費用は差し引けるとしています。次の3つが基本です。
- 事業の所得を得るためにかかった費用であること
- 当期の費用(current expense)であり、資本的な支出(capital expense)でないこと
- 個人の費用でないこと
主な経費の種類
CRAは、次のような経費を挙げています。
| 種類 | 例 |
|---|---|
| 広告 | 広告費 |
| 事業の税金・手数料・免許 | 事業の許可の手数料など |
| 配送・運送 | 送料 |
| 保険 | 事業の保険 |
| 利息・銀行手数料 | 事業の借入れの利息 |
| 専門家への報酬 | 弁護士や会計士への報酬 |
| 修理・維持 | 事業で使う設備の修理 |
| 事務用品・消耗品 | 文房具、材料 |
| 家賃・固定資産税 | 事業用の場所の家賃 |
| 給料 | 従業員の給料 |
| 電話・光熱費 | 事業で使う分 |
| 出張・旅費 | 事業のための移動 |
ほかに、貸し倒れ(bad debts)や燃料費も挙げています。
個人の費用との区別
個人の費用は差し引けません。事業と個人の両方で使うもの(電話、車など)は、事業で使った部分だけを経費にします。
資本的な支出と CCA
長く使う資産(capital property)を買った費用は、その年に全額を経費にはできません。資本コスト控除(Capital Cost Allowance、CCA)という方法で、何年かに分けて差し引きます。
自宅を仕事場にしている場合
CRAの自宅の事業使用のページ(新しいタブで開く)によると、自宅の仕事場の費用は、次のどちらかにあてはまるときに差し引けます。
- その場所が事業の主な場所(principal place of business)である
- その場所を事業の所得のためだけに使い、お客さんと会うために日常的・継続的に使っている
差し引けるのは次のような費用の、仕事場にあたる部分です。
| 住まい | 差し引ける費用の例 |
|---|---|
| 持ち家 | 暖房、保険、電気、清掃用品などの維持費、固定資産税、住宅ローンの利息、CCA |
| 賃貸 | 家賃の仕事場の部分と、仕事場に関係する費用 |
この費用は、この費用を引く前の事業の純所得を超えて差し引けません。この費用で事業の赤字を作ったり増やしたりはできず、使い切れなかった分は翌年以降に繰り越します。T2125 の line 9945 に書きます。
CPPの掛け金
自営業の人は、カナダ年金制度(CPP)の掛け金を、本人の分と雇用主の分の両方とも自分で払います(ケベック州はQPP)。CRAのline 22200のページ(新しいタブで開く)によると、確定申告で Schedule 8 か Form RC381(住んでいた州と加入した制度によって使い分ける)で計算し、雇用主の分にあたる額を line 22200 で所得から差し引きます。
掛け金は、基本の分と、所得に応じた1つ目・2つ目の上乗せの分からなります。2025年の年間の最大の年金対象の所得(YMPE)はC$71,300、2つ目の上乗せの上限(YAMPE)はC$81,200です。CPPのしくみは「カナダ年金(CPP)」で扱います。
分割納付(instalments)
自営業の所得には、給料のような源泉徴収がありません。そのため、所得によっては年の途中で税金を前払いする分割納付が必要になります。
CRAの分割納付のページ(新しいタブで開く)によると、2026年は次の両方にあてはまる人が対象です。
- 2026年の差し引きの納税額(net tax owing)がC$3,000を超える(ケベック州に住む人はC$1,800)
- 2025年か2024年の差し引きの納税額も、同じ額を超えていた
期限は、ほとんどの人で3月15日、6月15日、9月15日、12月15日の年4回です。主な所得が農業・漁業の自営業の人は、年1回12月31日です。
手順
- 事業の収入と経費を、領収書と一緒に日々記録する。
- 年が終わったら、T2125 で収入と経費をまとめ、事業の所得を計算する。長く使う資産は CCA で計算する。
- 自宅を仕事場にしている人は、条件にあたるか確かめ、仕事場の部分を計算する。
- Schedule 8 で CPP の掛け金を計算する。
- 6月15日までに確定申告をし、4月30日までに税金を払う(「確定申告の基本と期限」)。
- 分割納付の対象になる人は、年4回の期限ごとに払う。
GST/HSTの登録が必要かどうかは「ビジネスナンバーとGST/HSTの登録」で扱います。
費用
申告そのものに手数料はかかりません。期限や基準額は2026年10月時点のものです。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダでは、自営業の申告期限(6月15日)より先に、納税の期限(4月30日)が来ます。
- CPPの掛け金は、会社員なら雇用主が半分払う分も自分で払います。申告のときに税金とは別に計算されるので、資金を残しておきます。
- 経費にできるかどうかは、個別の事情で判断が分かれます。迷うときは CRA か税理士に相談してください。
- 日本にも収入がある人は「日本の収入・資産の申告」もあわせて確かめます。
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