会社の設立(Incorporation)
カナダで会社を作るには、連邦(Corporations Canada)か州のどちらかで設立(incorporate)します。2026年10月時点で、連邦はオンラインでC$200、BC州はC$350(別に名前の予約C$30)、オンタリオ州はC$300です。設立後も、毎年の届け出(Annual return)と法人の確定申告(T2)が必要です。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
会社の設立とは
会社の設立(incorporation)は、事業を、持ち主とは別の「法人(corporation)」にすることです。法人にしていない1人の事業は個人事業で、「個人事業の始め方」で扱っています。
連邦の会社登記を担当するCorporations Canadaの法人化の利点のページ(新しいタブで開く)は、法人の特徴として次の点を挙げています。
- 有限責任:株主は会社の借金に責任を負わない。会社が破産しても、株主が失うのは出資した額まで
- 別の法人格:会社が自分の名前で財産を持ち、お金を借り、契約できる
- 続いていく:持ち主が亡くなっても、解散するまで会社は続く
- 別に課税される:会社は持ち主と別に税金がかかる
一方で、法人には毎年の届け出や法人の確定申告などの義務が加わります。どの形が合うかは、税理士や弁護士に相談して決めます。
連邦で設立するか、州で設立するか
会社は、連邦の法律(Canada Business Corporations Act)か、州の法律のどちらかで設立します。
| 連邦(Corporations Canada) | 州(例:BC州、オンタリオ州) | |
|---|---|---|
| 名前を使える範囲 | カナダ全国で名前を使う権利がある | 主にその州 |
| 事業をする州での手続き | 事業をする州・準州ごとに、州の登録が別に必要 | ほかの州で事業をするときは、その州での登録が必要 |
| 本店の住所 | カナダ国内ならどこでもよい | その州 |
連邦の州登録のページ(新しいタブで開く)によると、連邦の会社も、事業をする州・準州ごとに州の登録が必要です。オンタリオ州、ノバスコシア州、ニューファンドランド・ラブラドール州は、連邦の設立と同時に州の登録が済んでいる場合があるので、州に確かめます。
州・準州ごとの違い
主な州の、2026年10月時点の手続きです。
| 州 | 窓口・システム | 設立の手数料 | 毎年の届け出 |
|---|---|---|---|
| 連邦 | Corporations Canada のオンライン申請 | C$200(4時間の特急はC$100を追加) | 毎年の届け出(Annual return)C$12 |
| BC | BC Registries(名前の予約は Name Request、設立は Corporate Online) | C$350(ULC は C$1,000)。名前の予約が別にC$30 | 設立の記念日から2か月以内に年次報告(Annual report)C$43.39 |
| オンタリオ州 | オンタリオ州ビジネス登録(Ontario Business Registry) | C$300 | 決算日から6か月以内に年次の届け出(Annual return)C$0 |
BC州の会社設立のページ(新しいタブで開く)によると、名前の予約には7〜14日ほどかかり、C$100の優先サービスを使うと1〜2営業日です。ほかの州・準州は、それぞれの州の会社登記の窓口が担当します。
取締役の条件
連邦とオンタリオ州では、カナダの居住者(resident Canadian)の取締役についての決まりが違います(2026年10月時点)。
| 連邦 | オンタリオ州 | |
|---|---|---|
| 取締役の人数 | 1人以上 | 1人以上(株式を公開する会社は3人以上) |
| 年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
| カナダの居住者 | 原則として取締役の25%以上。取締役が4人未満なら、少なくとも1人 | 取締役の25%以上という決まりはなくなった。届け出では、各取締役が居住者かどうかを示す |
連邦の決まりはCorporations Canadaの取締役のページ(新しいタブで開く)、オンタリオ州の決まりは州の設立の届け出の案内(Notice、2025年2月1日から有効、PDF)(新しいタブで開く)によります。永住権のない人だけで連邦の会社を作るときは、この条件に注意します。
オンタリオ州の名前の調査(NUANS)
オンタリオ州の案内によると、番号の名前(例:1234567 Ontario Inc.)でない場合は、オンタリオ州向け(Ontario-biased or weighted)のNUANSの名前調査の報告書が必要です(2026年10月時点)。
- 連邦向け(Canada-biased)の報告書は使えません。
- 報告書の日付は、定款を出す日の90日前より古くてはいけません。期限が切れると、取り直しになります。
- 報告書は会社の登記上の住所(オンタリオ州の中の実際の場所)に保管し、申請のときに参照番号、調べた名前、報告書の日付を入力します。
NUANSの報告書は民間の名前調査の会社などから取り寄せるため、その費用が別にかかります。
手順
Corporations Canadaの設立のページ(新しいタブで開く)による、連邦での設立の5つの段階です。
- 会社の名前を決める。言葉の名前(審査がある)か、「12345678 Canada Inc.」のような番号の名前を選べます。
- 定款(articles of incorporation)を作る。名前、株式の仕組み、取締役の人数、事業の制限などを書きます。
- 最初の登記上の住所(registered office)と、最初の取締役を決める。取締役ごとに氏名、住所、カナダの居住者かどうかを届けます。
- 会社を実際に支配している人(individuals with significant control)の情報を届ける。
- 申請を出し、手数料を払う。
設立のあとは、次の手続きが続きます。
- 事業をする州で、州の登録をする(連邦で設立した場合)
- ビジネスナンバー(BN)と、GST/HSTや給与天引きの口座を確かめる(「ビジネスナンバー(BN)とGST/HSTの登録」)
- 市の事業許可が必要かを確かめる(「市の事業許可」)
設立後の義務
- 毎年の届け出:連邦の会社は毎年、Corporations Canada に届け出を出します。出さないと、行政の手続きで解散させられることがあります。州で設立した会社は、州の年次報告を出します。
- 法人の確定申告(T2):CRAのT2のページ(新しいタブで開く)によると、カナダの居住法人は、税金がなくても毎年T2を出す必要があります。期限は事業年度の終わりから6か月以内です(例:3月31日に終わる年度は9月30日まで)。
費用
2026年10月時点の、政府に払う主な手数料です。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 連邦の設立(オンライン) | C$200 |
| 連邦の毎年の届け出(オンライン) | C$12 |
| BC州の名前の予約 | C$30(優先はC$100) |
| BC州の設立 | C$350 |
| BC州の年次報告 | C$43.39 |
| オンタリオ州の設立(オンライン) | C$300 |
会計士や弁護士に頼む場合は、その費用が別にかかります。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の株式会社の設立と違い、カナダでは連邦か州かを選びます。連邦で設立しても、事業をする州での登録が別に必要です。
- 連邦の設立はオンラインで、手続きが整えば1営業日ほどで終わります。
- 法人は、税金がなくても毎年T2を出します。個人の確定申告とは別です(「自営業の確定申告と経費」)。
- 在留資格によっては、会社を作っても、その会社で働けるとは限りません。就労の条件はIRCCかRCIC(登録移民コンサルタント)に確かめてください。
- 設立の形や税金の判断は、税理士や弁護士に相談してください。
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