ケベック州で働くときのフランス語(Langue du travail)
ケベック州では、フランス語憲章により、働く人はフランス語で仕事をする権利を持ちます。求人広告や雇用契約は原則フランス語で書かれ、雇用主がフランス語以外の言語を求めるには条件があります。権利を主張したことで解雇などをされたときの申し立ては、45日以内です。
職場の言語はフランス語が基本
ケベック州政府のフランス語についてのページ(新しいタブで開く)は、仕事を、フランス語がふつうに使われる場面のひとつに挙げています。フランス語憲章(Charte de la langue française)とその2022年の改正(Bill 96)の全体像は「ケベック州のフランス語憲章」で扱います。この記事では、働く人に関わる点をまとめます。
働く人の権利
フランス語局(Office québécois de la langue française、OQLF)の法改正の解説ページ(新しいタブで開く)によると、ケベック州で働く人には次の権利があります。
- フランス語で仕事をすること
- 職場でフランス語の資料を受け取れること
- 雇用主にフランス語以外の言語を求められたとき、雇用主が実際の言語の必要性を検討したかを示すよう求めること
- フランス語しか話さないこと、ほかの言語を十分に知らないこと、言語の権利を主張したことを理由に、解雇、一時解雇、降格などの仕返しを受けないこと
雇用主の義務
OQLFは、雇用主の義務として次のものを挙げています。
- 働く人がフランス語で仕事をする権利を尊重する
- 従業員や労働組合とのやりとりをフランス語で行う
- 出す求人広告と、個々の雇用契約をフランス語で書く
フランス語以外の言語を求めるとき
雇用主が、採用や仕事を続ける条件としてフランス語以外の言語(英語や日本語など)の知識を求められるのは、仕事にその言語が必要な場合に限られます。そのうえで、雇用主は事前に次の3つの条件を満たす必要があります。
- 仕事の実際の言語の必要性を評価した
- ほかの従業員にすでに求めている言語の知識では、その仕事に足りないことを確かめた
- フランス語以外の言語が必要な職の数を、できるだけ少なくした
日本語を使う仕事でも、この決まりは同じです。
会社のフランス語化(Francisation)
従業員が一定の数以上いる会社は、OQLFに登録して、会社の中でフランス語を使う状態を整える手続き(francisation)を進めます。OQLFによると、2025年6月1日からは、従業員が25〜49人の会社も、連邦管轄の会社を含めて登録が必要になりました。従業員が100人以上の会社は、フランス語化の委員会を置きます。
免許が必要な職業
ケベック州政府によると、免許が必要な職業で、その職業の肩書きを使って働くには、職業団体(ordre professionnel)の会員である必要があります。そのためには、OQLFのフランス語の試験に合格し、免許を受けます。免許が必要な職業の全体は「免許が必要な職業」で扱います。
手順
権利が守られていないと思うとき、または言語を理由に仕返しを受けたと思うときの流れです。
- 何があったか(日時、言われたこと、書類)を記録する。
- 職場の担当者や労働組合に相談する。
- 言語を理由に解雇などの仕返しを受けた場合は、OQLFに苦情(plainte)や申告(dénonciation)を出す。仕返しを受けた日から45日以内です。
- OQLFは、仕返しの申し立てを、ケベック州の労働基準・労働安全の機関(CNESST)か、その人が属する労働組合に回します。
費用
ケベック州政府は、移民が仕事に就いたり仕事を続けたりするための無料のフランス語講座を用意しています(2026年10月時点)。くわしくは「ケベック州のフランス語講座」で扱います。
日本とのちがいと注意点だよ!
- ケベック州では、職場の言語について州の法律で細かい決まりがあります。求人広告や雇用契約はフランス語で書くことが雇用主の義務です。
- 日系企業や日本語を使う仕事でも、日本語や英語を条件にするには、雇用主が3つの条件を満たす必要があります。
- 言語を理由にした仕返しの申し立ては45日以内と短い期限です。
- 決まりは段階的に施行され、場面ごとに細かく違います。自分の場合の判断は、OQLF、CNESST、弁護士に相談します。日本語を使う仕事全般は「日系企業と日本語を使う仕事」で扱います。
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