免許が必要な職業(Regulated occupations・Compulsory trades)
医師、エンジニア、教員、配管工などは、カナダでは州・準州ごとに規制されており、働く州・準州の規制団体に資格を認められてから働きます。日本の免許はそのままでは使えません。職業と州・準州で手続きが違うため、来る前から調べ始めることが勧められています。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
規制されている職業とは
カナダでは、人々の健康と安全を守るために、一部の職業が法律で規制されています。こうした職業(Regulated occupation)や、資格が義務づけられている職人の仕事(Compulsory trade)で働くには、州・準州の規制団体(regulatory body)に資格を認められ、免許や登録を受ける必要があります。
移民・難民・市民権省(IRCC)の資格の評価のページ(新しいタブで開く)は、免許や認定を受けるまでは、その職業で働くことも、決められた肩書き(designated title)を名乗ることもできないと説明しています。
カナダ国際資格情報センター(CICIC)の資格認定のページ(新しいタブで開く)によると、カナダの職業の約20%が規制されています。例として、医師、エンジニア、配管工、教員が挙げられています。
連邦ではなく州・準州が決める
規制の多くは連邦ではなく、州・準州の権限です。カナダ雇用・社会開発省(ESDC)の資格認定のページ(新しいタブで開く)は、働こうとする州・準州の規制団体に資格を認めてもらう必要があるとしています。
このため、次のことが起こります。
- 同じ職業でも、州・準州によって規制団体、書類、試験、手数料が違う
- ある州・準州で規制されている職業が、別の州・準州では規制されていないことがある
- 引っ越す前に、移る先の州・準州の規制団体の条件を確かめる必要がある
認定は、外国で得た学歴、技能、職歴が、その州・準州の職業の基準と同じ水準かどうかを確かめる手続きです。
職人の資格とRed Seal
職人の資格(trade certificate)は、州・準州が出します。これとは別に、州・準州をまたいで共通の基準で技能を確かめる「Red Seal(正式名 Interprovincial Standards Red Seal Program)」という制度があります。Red Sealの公式サイト(新しいタブで開く)による内容です。
- しくみ:Red Sealの試験に合格すると、州・準州の職人の資格の証明書に「Red Seal」の印(endorsement)が付きます。その職種の全国共通の基準に当たる知識があることを示し、州・準州を移って働くことを助けます。
- 運営:連邦政府と州・準州の協力で行う制度です。州・準州の見習い訓練の責任者でつくる協議会(Canadian Council of Directors of Apprenticeship、CCDA)が責任を持ち、試験などの実務は各州・準州が行います。多くの州・準州は、Red Sealの職種で、この試験を資格の最終試験として使っています。
- 対象の職種:すべての職種が対象ではありません。大工(Carpenter)、調理師(Cook)、電気工(Construction Electrician)、美容師(Hairstylist)、配管工(Plumber)、溶接工(Welder)など、決められた職種だけです。一覧は公式サイトにあります。
- 意味の範囲:Red Sealの印は試験に合格したことを示すだけで、州・準州でその仕事をする資格があることを示すものではありません。資格の確認は、資格を出した州・準州の見習い訓練の担当機関に問い合わせます。
- 受験:受験の条件は州・準州、職種、見習い(apprentice)か経験者(trade qualifier)かで違います。申し込みは、州・準州の見習い訓練・資格の担当機関に行います。試験は英語かフランス語で受けられます。受験料は州・準州によって違います(2026年10月時点)。
規制されていない職業
規制されていない職業では、免許は必要ありません。学歴や職歴をどう評価するかは、ふつう雇用主が判断します(「日本の資格・学歴の認定」)。ただし、CICICによると、規制されていない職業にも、任意で受けられる専門資格や登録の制度があるものがあります。
調べ方
- Job Bank の検索ツール:カナダ政府の求人サイト Job Bank の外国の候補者向けのページ(新しいタブで開く)にある Foreign Credential Recognition Tool で、その職業が規制されているか、認定にかかる時間と費用、その分野の求人、認定を待つ間に働ける別の仕事を調べられます。
- CICIC の職業の一覧:州・準州ごとの規制されている職業と、されていない職業について、約500の職業の情報(規制の内容、認定を担当する団体)をまとめた一覧(新しいタブで開く)があります。
州・準州ごとの違い
| 項目 | 違いの例 |
|---|---|
| 規制団体 | 職業ごと、州・準州ごとに別の団体 |
| 規制の有無 | 州・準州によって規制されているかどうかが違う職業がある |
| 条件 | 必要な書類、試験、研修などが違う |
| 費用・期間 | 職業と州・準州によって違う |
具体的な条件は、働く予定の州・準州の規制団体が決めます。
手順
- カナダで就きたい職業の英語(またはフランス語)の名前を調べる。
- Job Bank の検索ツールや CICIC の一覧で、働く予定の州・準州でその職業が規制されているか調べる。
- 規制されていれば、その州・準州の規制団体に連絡し、必要な書類、試験、研修を確かめる。IRCCは、カナダに来る前から始めることを勧めています。
- 日本の大学や資格の発行元から、成績証明書、卒業証明書、免許の証明など、規制団体が求める書類を用意する。
- 認定を待つ間は、Job Bank で関連する別の仕事も調べる。
費用
費用は、職業と州・準州、規制団体によって違います(2026年10月時点)。Job Bank の検索ツールで、職業ごとの費用と期間の目安を調べられます。試験や研修の費用には、カナダ政府の資格認定ローン(Foreign Credential Recognition Loans)の制度があります(「日本の資格・学歴の認定」)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダの免許は州・準州ごとです。州・準州を移るときは、移る先の規制団体の手続きを確かめます。
- 職人の仕事では、Red Sealの印があると州・準州を移って働きやすくなりますが、それだけで移る先の資格になるわけではありません。移る先の見習い訓練の担当機関に確かめます。
- 日本の免許や資格は、そのままではカナダで使えません。規制団体の認定が必要です。
- 永住権の申請に使う学歴認定(ECA)は、免許の認定とは別です。ECAがあっても免許を得られるとは限りません(「学歴認定(ECA)」)。
- 規制されている職業で、免許を受ける前にその肩書きを名乗ることはできません。履歴書でも肩書きの書き方に気をつけます。
- 自分の場合の条件は、州・準州の規制団体に確かめます。移民の手続きはIRCCかRCIC(登録移民コンサルタント)に相談します。
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