退職貯蓄(RRSP, Registered Retirement Savings Plan)
RRSP(登録退職貯蓄プラン)は、老後のための貯蓄口座です。掛け金は上限の範囲で所得から控除でき、口座の中の運用益には原則として税金がかかりません。その代わり、引き出すと所得として課税されます。上限は前の年の勤労所得の18%(2026年はC$33,810まで)で、査定通知やCRAのアカウントで確かめられます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
RRSPとは
RRSP(登録退職貯蓄プラン、Registered Retirement Savings Plan)は、老後に備えて自分で作る貯蓄の口座です。銀行などの金融機関で作り、カナダ歳入庁(Canada Revenue Agency、CRA)に登録されます。本人のほか、配偶者・事実婚のパートナーも掛け金を払い込めます。
CRAのRRSPのページ(新しいタブで開く)によると、主な特徴は次の3つです。
- 控除できる掛け金は、所得から差し引いて税金を減らすのに使える
- 口座の中で生まれた利益には、口座にある間は原則として税金がかからない
- 引き出したり、支払いを受けたりすると、原則として税金がかかる
掛け金の上限(RRSP deduction limit)
控除できる掛け金の上限(RRSP deduction limit)は、主に次のように決まります。
- 前の年に使わなかった枠
- + 前の年の勤労所得(earned income)の18%か、その年の上限額の、少ないほう
- − 会社の年金に入っている人の調整額(pension adjustment)など
使わなかった枠は、翌年以降に繰り越せます。
CRAの上限額の表(新しいタブで開く)によると、年ごとの上限額は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 年 | RRSPの上限額 |
|---|---|
| 2025年 | C$32,490 |
| 2026年 | C$33,810 |
| 2027年 | C$35,390 |
自分の上限は、査定通知(Notice of Assessment)やCRAのアカウント(My Account)で確かめられます(「査定通知と還付」)。
カナダに来て最初の年
上限は前の年の勤労所得をもとに決まります。CRAは、カナダで初めて申告する年は、一般にその年のRRSPの掛け金を控除できないとしています(「新しく来た人の初めての確定申告」)。
掛け金の期限と年齢
ある年の分として控除するには、翌年の最初の60日までに払い込みます。たとえば2025年分は、2025年3月4日から2026年3月2日までの掛け金が対象でした。
自分のRRSPに払い込めるのは、71歳になる年の12月31日までです。
上限を超えて払い込んだとき
上限を超えた額がC$2,000を超えると、超えた部分に1か月1%の税金がかかります。C$2,000の余裕は、その年に18歳以上だった人に限られます。超えた年は、年の終わりから90日以内に専用の申告書(T1-OVP)を出します。
引き出すとき
RRSPから引き出すと、金融機関がその場で税金を差し引きます(源泉徴収)。CRAの引き出しの税率のページ(新しいタブで開く)によると、カナダの居住者の率は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 引き出す額 | ケベック州以外 | ケベック州 |
|---|---|---|
| C$5,000まで | 10% | 5% |
| C$5,000〜C$15,000 | 20% | 10% |
| C$15,000を超える | 30% | 15% |
ケベック州では、これに加えて州の税金も差し引かれます。カナダの非居住者は、租税条約で下がらない限り25%です。
引き出した額は、その年の確定申告で所得に含めます。差し引かれた税金が、本人の税率で計算した額より少ないと、申告のときに追加で払うことがあります。
住宅を買うとき(Home Buyers’ Plan、HBP)や、学び直しのとき(Lifelong Learning Plan、LLP)に引き出し、あとで返済する仕組みもあります。返済の情報は査定通知に書かれます。
手順
- 査定通知かCRAのアカウントで、自分の上限(RRSP deduction limit)を確かめる。
- 銀行などの金融機関でRRSPの口座を作る。
- 上限の範囲で払い込む。ある年の分として控除するには、翌年の最初の60日までに払い込む。
- 金融機関から届く掛け金の領収書(RRSP contribution receipt)を保管する(「T4などの税務書類」)。
- 確定申告で掛け金を申告し、控除する。
費用
CRAへの手数料はかかりません。口座の手数料や運用の費用は金融機関や商品によって違います。上限額と税率は上の表のとおりです(2026年10月時点)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- RRSPは、掛け金を払い込んだ年に所得から控除し、引き出したときに課税される仕組みです。もう一つの非課税口座のTFSAとは、税金のかかり方が逆です(「非課税貯蓄口座(TFSA)」)。
- 上限は前の年の勤労所得で決まるため、カナダに来てすぐは枠が少ないか、ないことがあります。
- カナダを離れてからRRSPを引き出すと、非居住者として25%(租税条約で下がる場合を除く)が差し引かれます。日本での課税の扱いも関わるため、引き出す前にCRAや税理士に相談します(「カナダを離れるときの税金」「日加租税条約」)。
- どの商品で運用するか、いくら払い込むかは個人の判断です。この記事は制度の説明で、投資の助言ではありません。
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