非課税貯蓄口座(TFSA、Tax-Free Savings Account)
TFSAは、口座の中で得た利息・配当・値上がり益に原則として税金がかからない口座です。カナダの税務上の居住者で、18歳以上、有効なSINがある人が開けます。2026年の1年の上限額はC$7,000で、使わなかった枠は翌年以降に繰り越されます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
TFSAのしくみ
非課税貯蓄口座(Tax-Free Savings Account、TFSA)は、カナダ政府が定める登録口座(Registered account)の一つです。名前は「貯蓄口座」ですが、中身は預金だけでなく投資にも使えます。
カナダ歳入庁(Canada Revenue Agency、CRA)のTFSAの説明のページ(新しいタブで開く)によると、主な特徴は次のとおりです。
- 口座の中で得た利息、配当、値上がり益(キャピタルゲイン)は、原則として税金がかかりません。引き出したときも同じです。
- 退職貯蓄(RRSP)と違い、TFSAに入れたお金は所得から差し引けません(所得控除にならない)。
- 制度は政府が決めますが、口座を開いて管理するのはカナダの銀行や金融機関です。
TFSAには、預金型(銀行・信用組合の口座)、保険会社の年金契約型、信託型(投資信託や証券口座など)があります。RRSPとの違いは「退職貯蓄(RRSP)」で扱います。
入れられるもの
CRAによると、TFSAで持てる主なものは、現金、投資信託(Mutual funds)、指定された証券取引所に上場している証券、保証付き投資証書(GIC)、債券などです。認められていないものを持つと、税金がかかります。
開ける人
CRAのTFSAの開設のページ(新しいタブで開く)によると、TFSAを開くには次のすべてにあてはまる必要があります。
- 税務上のカナダの居住者であること
- 18歳以上であること
- 有効な社会保険番号(SIN)があること
州・準州によっては、契約を結べる年齢が19歳です。その場合は19歳になってから口座を開き、18歳の年の枠を繰り越して使えます。
税務上の居住者かどうかは、ビザの種類だけでは決まりません。判断の考え方は「税務上の居住者の判断」で扱っています。SINの取り方は「SIN(社会保険番号)」にあります。
入れられる額(拠出枠)
TFSAに入れられる額には上限があり、これを拠出枠(Contribution room)と言います。CRAの拠出の前に読むページ(新しいタブで開く)によると、枠は18歳になり、カナダの居住者である年からたまり始めます。新しくカナダの居住者になった人は、居住者になった年から枠がつきます。
1年ごとの上限額(TFSA dollar limit)は次のとおりです。
| 年 | 1年の上限額 |
|---|---|
| 2009〜2012年 | 各C$5,000 |
| 2013〜2014年 | 各C$5,500 |
| 2015年 | C$10,000 |
| 2016〜2018年 | 各C$5,500 |
| 2019〜2022年 | 各C$6,000 |
| 2023年 | C$6,500 |
| 2024〜2026年 | 各C$7,000 |
その年の枠は、「その年の上限額」に「前の年までに使わなかった枠」と「前の年に引き出した額」を足したものです。使わなかった枠は、次の年以降に繰り越されます。
上の表を合計すると、2009年から毎年の条件を満たしていた人の2026年までの合計はC$109,000です。ただし、カナダに来た年より前の年の分はありません。たとえば、2026年に18歳以上で新しく居住者になった人は、その年の枠はC$7,000からです。
口座をいくつ持っても、枠はすべての口座の合計で考えます。銀行ごとに枠があるわけではありません。
引き出しと枠の戻り方
CRAの引き出しのページ(新しいタブで開く)によると、TFSAからはいつでも税金なしで引き出せます。引き出した額は、翌年の1月1日に枠として戻ります。
同じ年のうちに引き出した分を入れ直すと、枠が残っていない場合は入れすぎ(Over-contribution)になります。間違えて入れた場合でも、税金がかかります。
入れすぎたときの税金
枠を超えて入れた額(Excess amount)には、口座に残っている間、1か月につき1% の税金がかかります(CRAの入れすぎのページ(新しいタブで開く))。入れすぎがあった人は、TFSAの申告(TFSA Return)を出す必要があります。
自分の枠は、CRAのオンラインサービス(My Account)で確かめられます(「CRA My Accountの登録と使い方」)。CRAによると、2026年の枠の情報は2026年4月に更新されています。金融機関からCRAへの報告が遅れると、表示が実際と合わないことがあるため、自分の入出金の記録も残しておくと安心です。
手順
- 税務上のカナダの居住者で、18歳以上で、有効なSINがあるかを確かめる。
- 銀行・信用組合・証券会社などで、TFSAの口座を開く(預金型か投資型かを選ぶ)。
- CRA My Accountや自分の記録で、今年の枠を確かめる。
- 枠の範囲内で入金する。複数の口座がある場合は合計で数える。
- 引き出した分は、翌年1月1日まで入れ直さない(枠が残っている場合を除く)。
費用
- 2026年の1年の上限額:C$7,000(2026年10月時点)
- 入れすぎた額への税金:1か月につき1%(2026年10月時点)
- 口座の手数料や投資商品の手数料は、金融機関や商品によって違います。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の少額投資非課税制度(NISA)は、金融庁によると日本国内に住んでいる18歳以上の人が対象で、年間投資枠と生涯の非課税保有限度額(1,800万円)があります。カナダのTFSAは、1年ごとの上限額と、使わなかった枠・引き出した額が翌年以降に戻るしくみが特徴です。
- TFSAはカナダの税金がかからない口座です。日本など、ほかの国での税金の扱いは別の問題なので、日本の税務上の居住者になる人は税理士などに確かめてください。
- カナダを離れて非居住者になっても、TFSAを持ち続けることや、税金なしで引き出すことはできます。ただし、非居住者の間に入金すると、その分に税金がかかります(「カナダを離れるときの税金」)。
- ワーキングホリデーや留学の人も、税務上の居住者にあたれば口座を開けます。居住者にあたるかどうかは人によって違うため、CRAや税理士に確かめてください。
- 入れすぎの税金は、間違いでもかかります。引き出した分を同じ年に入れ直すときは特に注意してください。
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