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住宅ローン(Mortgage)と審査

在住駐在
ひとことで言うと

カナダの住宅ローンは、返済期間(Amortization、通常25年)と、金利などの条件が決まる契約期間(Term、数か月〜5年以上)を分けて考えます。銀行などで借りるには、実際の金利より高い金利でも払えるかを見る「ストレステスト」に通る必要があります。頭金が20%未満なら住宅ローン保険も必要です。

目次
  1. 住宅ローンのしくみ
  2. 審査で見られること
  3. 住宅ローン保険(Mortgage loan insurance)
  4. 事前承認(Pre-approval)
  5. 手順
  6. 費用
  7. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

住宅ローンのしくみ

カナダの住宅ローン(Mortgage、モーゲージ)は、銀行、信託会社、クレジットユニオンなどの貸し手から借ります。カナダ金融消費者庁(Financial Consumer Agency of Canada、FCAC)とカナダ住宅金融公社(Canada Mortgage and Housing Corporation、CMHC)の説明をもとに、よく出てくる言葉をまとめます。

言葉意味
返済期間(Amortization)ローンを全部返し終えるまでの期間。通常は25年
契約期間(Term)金利や条件が決まっている期間。数か月から5年以上まで。終わったら更新するか、ほかの貸し手に移る
固定金利(Fixed rate)契約期間の間、金利が変わらない
変動金利(Variable rate)市場の金利に合わせて変わる
オープン(Open mortgage)いつでも違約金なしで全部または一部を返せる
クローズド(Closed mortgage)早めに返せる額が限られるか、できない。そのぶん金利は低めのことが多い
繰り上げ返済の枠(Prepayment privileges)違約金なしで追加で返せる範囲

カナダでは、返済期間の途中で何度も契約期間が終わり、そのたびに金利などを決め直します。

返済期間の上限

FCACの契約期間と返済期間のページ(新しいタブで開く)によると、頭金が20%未満のときの返済期間の上限は次のとおりです(2026年10月時点)。

場合上限
初めて家を買う人、または新築(New build)を買う人30年
それ以外25年

違約金

契約期間の途中で条件を決め直したり、全部を返したり、繰り上げ返済の枠を超えて返したりすると、違約金(Prepayment penalty)がかかります。FCACは、違約金が数千ドルになることもあるとしています。

審査で見られること

ストレステスト

FCACの住宅ローンの準備のページ(新しいタブで開く)によると、銀行など連邦の規制を受ける貸し手は、ストレステスト(Stress test)に通ることを求めます。連邦の規制を受けない貸し手も、求めることがあります。

  • 審査に使う金利(Qualifying rate)は、5.25% と 契約する金利+2% のうち高いほう(2026年10月時点)。
  • 保険付きのローンにも、保険のないローンにもあてはまる。
  • すでにローンがある人も、借り換え(Refinance)や、家を担保にした信用枠(Home equity line of credit)を作るときに、このテストに通る必要がある。

例えば、契約する金利が4%なら、6%(4%+2%)で返済できるかが審査されます。

契約を更新するとき

契約期間が終わり、同じ条件のまま貸し手を替えて更新する場合は、ストレステストの扱いが緩められています(2026年10月時点)。

  • 保険のないローン:金融機関監督庁(Office of the Superintendent of Financial Institutions、OSFI)は、2024年11月21日から、連邦の規制を受ける貸し手どうしの借り換え(Straight switch)に、決まった審査金利を求めなくなりました。条件は、ローンの額も残りの返済期間も増やさないことです。手数料などのためのC$3,000までの上乗せは認められます(OSFIの発表(新しいタブで開く))。ただし、貸し手は新しいローンと同じように審査します。
  • 保険付きのローン:カナダ財務省によると、更新のときに貸し手を替えても、もう一度ストレステストを受ける必要はありません(財務省の発表(新しいタブで開く))。

借りる額を増やす借り換え(Refinance)は、これに当たりません。

収入に対する返済の割合

割合内容FCACが示す上限
住居費の割合(GDS ratio)ローンの元金と利息、固定資産税、暖房費など、毎月の住居費税引き前の世帯収入の39%
借金全体の割合(TDS ratio)住居費に、車のローン、クレジットカードなどの返済を足したもの税引き前の収入の44%

CMHCの手引きでは、一般的な目安として、住居費は月収の32%以下、借金全体は40%以下としたうえで、CMHCの保険付きのローンでは39%・44%までに制限するとしています。

信用情報

貸し手は、ローンを承認する前に信用情報(Credit report)を確かめます。FCACによると、信用の記録が十分でないと、ローンを断られたり、連帯保証人(Co-signer)を求められたりすることがあります。カナダに来たばかりで信用の記録が短い人は、早めに準備しておくことが大切です。

住宅ローン保険(Mortgage loan insurance)

頭金が購入価格の20%未満のときは、原則として住宅ローン保険が必要です(FCACの頭金のページ(新しいタブで開く))。

購入価格がC$1,500,000以上の家には、住宅ローン保険を使えません(2026年10月時点。CMHCのページ(新しいタブで開く))。そのため、この価格の家では頭金を20%以上用意します。

  • この保険は、借りた人が返せなくなったときに貸し手を守るためのもので、借りた人を守るものではありません。
  • 保険料は、ローンの額の0.6〜4.5%(2026年10月時点)。頭金が多いほど安くなります。
  • 保険料はローンに上乗せするか、最初にまとめて払います。上乗せすると、その分にも利息がかかります。
  • オンタリオ州、マニトバ州、ケベック州では、保険料に州の売上税がかかります。この税はローンに上乗せできず、ローンを組むときに払います。
  • 自営業の人や信用の記録が弱い人は、頭金が20%以上でも保険を求められることがあります。

保険を引き受けるのは、CMHC、Canada Guaranty Mortgage Insurance Company、Sagen(アルファベット順)で、貸し手が手配します。

最低限の頭金の額は「住宅購入の流れ」にまとめています。

事前承認(Pre-approval)

FCACの事前承認のページ(新しいタブで開く)によると、事前承認を受けると、貸し手によって60〜130日の間、金利を確保できます。ただし、事前承認は最終的な承認の約束ではありません。物件が決まったあと、価格や建物の状態が貸し手の基準に合うかが確かめられます。

事前承認で主に出す書類は次のとおりです。

  • 本人確認の書類
  • 仕事と収入の証明(給与明細など。自営業の人はCRAの査定通知(「査定通知(Notice of Assessment)と還付」)など)
  • 頭金と諸費用を用意していることの証明
  • 資産の情報(銀行や投資の明細など)
  • 借金の情報(クレジットカード、ローン、信用枠、学生ローン、養育費の支払いなど)

手順

  1. 自分の信用情報を取り寄せて確かめる。
  2. 収入、借金、頭金から、GDS・TDSの割合とストレステストを考えて、借りられる額の目安をつかむ。
  3. 複数の貸し手やブローカーで条件を比べ、事前承認を受ける。
  4. 物件が決まったら、購入申し込みにローンの承認を条件として入れる(「住宅購入の流れ」)。
  5. 貸し手に物件の書類を出し、ローンを確定させる。
  6. 契約期間の終わりが近づいたら、更新の条件を比べる。

費用

  • ストレステストの金利:5.25%と、契約金利+2%の高いほう(2026年10月時点)
  • 住宅ローン保険料:ローンの額の0.6〜4.5%(2026年10月時点)
  • 事前承認の金利の確保:60〜130日(貸し手による)

ここに注意してね!

  • カナダでは、契約期間(Term)が終わるたびに金利などを決め直します。返済期間(Amortization)の25年や30年の間、同じ金利が続くわけではありません。
  • 審査では、実際より高い金利で返せるかを見るストレステストがあります。借りられる額は、実際の金利で計算した額より少なくなります。
  • 住宅ローン保険は貸し手を守るための保険です。借りた人や家族を守る保険は、別に考える必要があります。
  • 永住権のない人には住宅購入の制限があります(「外国人の住宅購入禁止法」)。
  • この記事は制度の説明で、特定の貸し手やローンを勧めるものではありません。借りるかどうか、どのローンを選ぶかは、貸し手の説明を受けたうえで、必要なら弁護士やファイナンシャルの専門家に相談してください。

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