日本人のためのカナダ情報
住まい / 購入

住宅購入の流れ(Buying a home)

在住駐在
ひとことで言うと

カナダで家を買うときは、予算を決め、住宅ローンの事前承認(Pre-approval)を受け、物件を探して条件付きの購入申し込み(Offer to purchase)を出し、条件がそろったら引き渡しの日(Closing day)に弁護士(ケベック州では公証人)の事務所で手続きをします。頭金のほかに、購入価格の1.5〜4%ほどの諸費用がかかります。

目次
  1. 購入の大きな流れ
  2. 払える額の目安
  3. 頭金
  4. 頭金以外にかかるお金
  5. 購入にかかわる専門家
  6. 手順
  7. 費用
  8. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

カナダ住宅金融公社(Canada Mortgage and Housing Corporation、CMHC)の住宅購入の手引き(新しいタブで開く)をもとに、家を買うまでの大きな流れをまとめます。

カナダ国籍も永住権も持たない人は、都市部の住宅を原則として買えません(2027年1月1日までの予定)。就労許可を持つ人などの例外もあります。まず「外国人の住宅購入禁止法」を確かめてください。

購入の大きな流れ

CMHCの手引きは、購入を次の段階に分けています。

段階主な内容
1. 買うかどうか決める住まいの種類を比べ、持ち家にかかる費用を見積もる
2. お金の準備を確かめる払える額を計算し、頭金と諸費用を貯める
3. 資金の手当て住宅ローンを調べ、事前承認を受ける
4. 物件を探す希望の優先順位を決め、専門家のチームをつくる
5. 申し込みと引き渡し購入申し込み、条件の確認、引き渡し
6. 買ったあと返済、維持管理、保険

払える額の目安

CMHCの手引きでは、2つの目安を示しています。

  • 住居費の割合(GDS ratio):毎月の住居費(ローンの元金と利息、固定資産税、暖房費、コンドミニアムの管理費の半分など)は、税引き前の月収の32%以下が目安。CMHCの保険付きのローンでは39%までに制限しています。
  • 借金全体の割合(TDS ratio):住居費に、車のローン、クレジットカード、信用枠(Line of credit)などの返済を足した額は、税引き前の月収の40%以下が目安。CMHCの保険付きのローンでは44%までに制限しています。

住宅ローンの審査のしくみは「住宅ローンと審査」で扱います。

頭金

カナダ金融消費者庁(Financial Consumer Agency of Canada、FCAC)の頭金のページ(新しいタブで開く)によると、最低限の頭金(Down payment)は購入価格で決まります(2026年10月時点)。

購入価格最低限の頭金
C$500,000以下購入価格の5%
C$500,000〜C$1.5 million最初のC$500,000の5%と、C$500,000を超える部分の10%
C$1.5 million以上購入価格の20%

例えば、C$600,000の家なら、C$25,000(C$500,000の5%)とC$10,000(残りC$100,000の10%)を足したC$35,000が最低限の頭金です。

頭金が購入価格の20%未満のときは、原則として住宅ローン保険(Mortgage loan insurance)が必要です。購入価格がC$1,500,000以上の家には、住宅ローン保険を使えません(2026年10月時点。CMHCのページ(新しいタブで開く))。自営業の人や信用の記録が弱い人は、より多くの頭金を求められることがあります。頭金は、原則として自分のお金から出します。

初めて家を買う人のための口座や制度は「初めての購入者向けの制度」と「住宅購入向けの非課税口座(FHSA)」で扱います。

頭金以外にかかるお金

CMHCの手引きでは、頭金のほかに次の費用を用意するよう挙げています。

  • 住宅診断(Home inspection)と評価(Appraisal)の費用
  • 保険(住宅の保険、住宅ローン保険など)
  • 土地の登記の費用、不動産取得税(Land transfer tax)
  • 売り主が前払いした固定資産税や公共料金の精算
  • 弁護士または公証人(Notary)の費用

引き渡しの日に払う諸費用(Closing costs)は、購入価格のおよそ1.5〜4% が目安とされています。不動産取得税は州や市によって違います(「不動産取得税」)。新築の場合などは、これとは別に消費税(GST/HSTなど)がかかることがあります(「消費税(GST/HST・PST)」)。

購入にかかわる専門家

専門家役割
不動産エージェント(Real estate agent)物件探し、地域の情報、申し込みと価格の交渉。手数料は通常は売り主が払うが、買い主に料金を求めるエージェントもいる
住宅ローンの貸し手・ブローカー銀行、信託会社、クレジットユニオンなど。ブローカーは複数の貸し手を扱える
住宅診断士(Home inspector)建物の状態と、大きな修理が必要かを調べる(「住宅診断」)
評価人(Appraiser)物件の価値を評価する。貸し手が求めることもある
測量士(Land surveyor)測量図(Survey、Certificate of location)を用意する。ローンの申し込みに必要になることが多い
弁護士・公証人抵当権などがついていないかを調べ、契約書を確かめ、名義の登記をする。ケベック州では公証人
保険ブローカー住宅の保険など

手順

  1. 予算を決め、頭金と諸費用(購入価格の1.5〜4%ほど)を準備する。
  2. 貸し手やブローカーに相談し、住宅ローンの事前承認(Pre-approval)を受ける。事前承認は、最終的な承認の約束ではない。
  3. 物件を探し、気に入ったら購入申し込み(Offer to purchase、Agreement of purchase and sale)を出す。申し込みには、価格、手付金(Deposit)の額、含める設備、引き渡しの日、申し込みの期限、条件(住宅診断の結果、ローンの承認など)を書く。
  4. 手付金は、売り主側の不動産会社や弁護士・公証人が預かる(in trust)形にする。
  5. 申し込みが受け入れられたら、条件を一つずつ満たす。すべての条件がそろって、契約が確定する。
  6. 貸し手に必要な書類(住宅診断の報告、評価、測量図、署名した申し込みなど)を出し、ローンを確定させる。
  7. 引き渡しの日(中古の家は契約からおよそ30〜60日後が一般的。新築はもっと長い)に、弁護士・公証人の事務所で手続きをする。貸し手のローンのお金と、頭金の残り、諸費用を弁護士・公証人に渡し、名義の登記を経て鍵を受け取る。

費用

  • 最低限の頭金:C$500,000以下は5%、C$1.5 million以上は20%(2026年10月時点)
  • 住宅ローン保険料:ローンの額の0.6〜4.5%(FCACの説明、2026年10月時点)。オンタリオ州、マニトバ州、ケベック州では、保険料に州の売上税がかかり、ローンに含められずに支払う
  • 引き渡しの日の諸費用:購入価格のおよそ1.5〜4%(CMHCの手引き)

ここに注意してね!

  • カナダでは、購入申し込みは法的な契約です。住宅診断やローンの承認などの条件をつけずに出すと、あとで問題が見つかっても取りやめにくくなります。申し込みの前に弁護士(ケベック州では公証人)に確かめることが大切です。
  • 引き渡しの手続きは、弁護士や公証人の事務所で行います。名義の登記やお金のやりとりも弁護士・公証人を通します。
  • 頭金が20%未満だと住宅ローン保険が必要になり、保険料がかかります。
  • 永住権のない人には購入の制限があります(「外国人の住宅購入禁止法」)。
  • 個別の判断は、弁護士、公証人、税理士などの専門家に相談してください。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

住まい住宅ローン(Mortgage)と審査カナダの住宅ローンは、返済期間(Amortization、通常25年)と、金利などの条件が決まる契約期間(Term、数か月〜5年以上)を分けて考えます。銀行などで借りるには、実際の金利より高い金利でも払えるかを見る「ストレステスト」に通る必要があります。頭金が20%未満なら住宅ローン保険も必要です。住まい初めての購入者向けの制度(First-time home buyers)初めて家を買う人には、連邦の税の制度がいくつかあります。確定申告で使える住宅購入者控除(Home Buyers' Amount、C$10,000まで)、RRSPから最大C$60,000を引き出せる Home Buyers' Plan、新築にかかるGSTの払い戻し(FTHB GST/HST rebate)などです。住宅購入向けの非課税口座(FHSA)と組み合わせて使えるものもあります。住まい不動産取得税(Land transfer tax・Property transfer tax)カナダで家を買うと、多くの州で名義の登記のときに不動産取得税がかかります。BCは Property transfer tax(1〜3%など)、オンタリオ州は Land transfer tax(0.5〜2.5%)で、トロント市ではさらに市の税もかかります。アルバータ州は価格に応じた登記の手数料、ケベック州は市町村が集める droits de mutation(いわゆる welcome tax)です。初めての購入者には免除や払い戻しがある州もあります。住まい外国人の住宅購入禁止法(Prohibition on the Purchase of Residential Property by Non-Canadians Act)2023年1月1日から、カナダ国籍も永住権も持たない人(Non-Canadian)は、都市部の住宅を原則として買えません。禁止の期間は2026年12月31日までです(2026年10月時点)。就労許可を持つ人などには例外があります。カナダで家の購入を考えている人向けに、対象と例外をまとめました。住まい住宅診断(Home inspection)家を買う前に、専門の住宅診断士(Home inspector)に建物の状態を見てもらうのが住宅診断です。購入申し込みに「診断の結果に納得できること」を条件として入れることもできます。BC州とアルバータ州では、住宅診断士に州の免許が必要です。住まいコンドミニアムとストラタ(Condominium・Strata)カナダのコンドミニアムは、自分の部屋を持ち、廊下や建物などの共用部分をほかの持ち主と一緒に持つ形です。BC州ではストラタ(strata)、オンタリオ州ではコンドミニアム(condominium)と呼び、毎月の管理費、積立金、建物の規約があります。買う前に、財政や規約を確かめる書類を読みます。