オンタリオ州の賃貸(Landlord and Tenant Board、LTB)
オンタリオ州の賃貸のルールは住宅賃貸法(Residential Tenancies Act, 2006)で決まり、大家と借り主の争いは大家・借家人委員会(LTB)が扱います。家賃値上げのガイドラインは2026年が2.1%、2027年が1.9%です。オンタリオ州で部屋を借りる人向けに、LTBの使い方と主なルールをまとめました。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
LTBの役割
オンタリオ州の大家・借家人委員会(Landlord and Tenant Board、LTB)は、大家と借り主の争いを解決し、契約の終了(退去)を判断する州の審判機関です。州の審判所をまとめる Tribunals Ontario の一部です(LTBのページ(新しいタブで開く))。
オンタリオ州の賃貸のルールは、住宅賃貸法(Residential Tenancies Act, 2006)で決まっています。ただし、LTBの手引きによると、借り主が大家と台所か浴室を共用しなければならない住まいには、この法律は適用されません。大学・カレッジの寮や公営・非営利の住宅などには、家賃のルールの一部が適用されません(LTBの手引き(新しいタブで開く))。
連絡先
2026年10月時点のLTBの連絡先です(LTBの連絡先のページ(新しいタブで開く))。
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| 電話(フリーダイヤル) | 1-888-332-3234 |
| 電話(トロント周辺) | 416-645-8080 |
| TTY | Bell Relay Service 1-800-855-0511 |
| 受付時間 | 月〜金曜 8時30分〜17時。自動案内は24時間 |
| オンライン | Tribunals Ontario Portal(申し立て、進み具合の確認、証拠の提出) |
LTBの事務所はトロント、ロンドン、ハミルトン、ミシサガ、オタワ、サドベリーにあります。調停や審理をフランス語で行うよう求めることもできます。
主なルール
標準賃貸契約(Standard lease)
2018年4月30日以降に結ぶ多くの賃貸契約では、大家は州の標準賃貸契約(Residential Tenancy Agreement〔Standard Form of Lease〕)を使わなければなりません。大家は、借り主が署名してから21日以内に、契約書の控えを渡します。詳しくは「賃貸契約の読み方」と「オンタリオ州の標準賃貸契約」で扱います。
家賃の前払い(Rent deposit)
大家は、新しい借り主から、契約の始まりの日かそれより前に、家賃の前払い(Rent deposit)を受け取れます。家賃を月ごとに払う場合、前払いは1か月分を超えてはなりません。敷金の扱いは「敷金とペット敷金」で扱っています。
家賃の値上げ
オンタリオ州政府によると、家賃を上げられるのは、前回の値上げか契約の始まりから12か月以上たってからです。大家は、値上げの90日以上前に、決められた書式の書面で知らせなければなりません(オンタリオ州政府のページ(新しいタブで開く))。
多くの賃貸住宅では、LTBの承認なしに上げられるのは、州の値上げガイドライン(Rent increase guideline)の率までです。
| 年 | ガイドライン |
|---|---|
| 2026年 | 2.1% |
| 2027年 | 1.9% |
ただし、2018年11月15日より後に初めて住居として使われた新しい建物、増築部分、多くの新しい地下の住戸(Basement apartment)などは、ガイドラインの対象外です。正しくない通知や上限を超える値上げは、最初に請求されてから12か月以内であればLTBに申し立てられます。
値上げのルールは「家賃の値上げと上限」でも扱います。
家賃を自分の判断で止めない
LTBの手引きは、修理がされないなどの不満があっても、借り主が家賃の一部でも支払いを止めるべきではないとしています。LTBの承認なしに家賃を止めると、退去を求められることがあります。修理の問題はLTBへの申し立てで解決を図ります。
なお、標準賃貸契約を受け取る権利があるのに渡されない場合に限り、決められた手順で家賃1か月分を保留できるルールがあります(「賃貸契約の読み方」)。
申し立ての種類
借り主が使う主な申し立ての書式です(2026年10月時点)。
| 書式 | 内容 |
|---|---|
| T1 | 大家からの返金(Rebate)を求める |
| T2 | 借り主の権利に関する申し立て |
| T3 | 家賃の減額を求める |
| T5 | 大家が不誠実な理由で退去通知を出した |
| T6 | 修理・維持管理(Maintenance)に関する申し立て |
| A1 | 住宅賃貸法が適用されるかどうかの申し立て |
| A2 | また貸し(Sublet)や契約の譲渡に関する申し立て |
手順
- 困ったことは、まず大家に書面(メールなど)で伝え、やりとりを保存する。
- LTBに電話するか、ページで自分の状況に合うルールと書式を確かめる。
- Tribunals Ontario Portal などで申し立てる。
- 手数料を払うか、手数料の免除(Fee Waiver Request)を申請する。
- 契約書、写真、領収書、やりとりの記録など、証拠をそろえて調停や審理に備える。
費用
2026年10月時点の主な申し立て手数料です(LTBの書式と手数料のページ(新しいタブで開く))。
| 書式 | 手数料 |
|---|---|
| T1、T2、T5、T6 | C$53(Tribunals Ontario Portal で出すとC$48) |
| T3、T4、T7、A1、A2、A4 | C$53 |
| 大家の退去・家賃回収の申し立て(L1、L2、L3、L9、L10) | C$201(ポータルで出すとC$186) |
手数料が払えないときは、免除の申請書(Fee Waiver Request)を出せます。
ここに注意してね!
- オンタリオ州では、多くの賃貸住宅で家賃の値上げ率の上限を州がガイドラインとして毎年決めています。ただし、2018年11月15日より後に初めて人が住んだ新しい物件などは対象外なので、契約前に確かめておくと安心です。
- 大家と借り主の争いは、裁判所ではなくLTBが扱うのが基本です。借り主の申し立ては手数料C$53(ポータルでC$48)から出せます。
- 修理がされないからといって、自分の判断で家賃を止めると、退去を求められるおそれがあります。LTBへの申し立てという正式な手続きを使うことが大切です。
- 持ち主と台所や浴室を共用する住まいは、住宅賃貸法の対象外です。ルームシェアや間借りは「ルームシェアとホームステイ」もあわせて読んでください。
- 個別の判断が必要なときは、弁護士やリーガルクリニックなどに相談してください。
この記事をシェアする