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クマ(グリズリーとアメリカクロクマ)に出会ったら(Bear safety)

ひとことで言うと

カナダの山や森には、グリズリー(ハイイログマ)とアメリカクロクマがすみ、町の近くに出ることもあります。出会わない工夫、出会ったときの動き方、襲われたときの対応、通報先をカナダ公園局と州政府の案内からまとめます。

目次
  1. 種類のクマ
  2. 出会わないための工夫
  3. 手順:クマを見かけたとき
  4. 手順:クマが近づいてきたとき
  5. ベアスプレーの使い方
  6. 住宅地でクマを寄せないために
  7. 州・準州ごとの違い
  8. 日本との違い・注意点
冬眠から目覚め、雪の上に座るグリズリー(BC州バンクーバーのグラウス・マウンテン)
Photo: Scott Wilkinson / Unsplash

2種類のクマ

カナダの山岳部の国立公園には、グリズリー(Grizzly bear、ハイイログマ)とアメリカクロクマ(Black bear)の両方がすんでいます。色だけでは見分けられません。どちらの種類にも黒から金色に近いものまでいます。カナダ公園局(Parks Canada)は次の点で見分けると説明しています。

グリズリーアメリカクロクマ
肩筋肉が盛り上がり、こぶのように見えるこぶは目立たない
顔(横から)頭が大きく丸く、顔がへこんで見える頭が小さく、鼻先が長くまっすぐ
耳短く丸く、左右が離れている長めでとがって目立つ
前足の爪5〜10cm(掘るのに向く)3〜4cmで黒い(木登りに向く)
体重(ロッキー山脈の例)雄150〜300kg、雌80〜150kg雄80〜150kg、雌45〜100kg

山の中だけでなく、BC州やオンタリオ州などでは、ごみや果物に引き寄せられて住宅地に出てくることもあります。

出会わないための工夫

カナダ公園局は次のことを勧めています。

  • 声を出す。 呼びかける、手をたたく、歌う、大きな声で話す。特に川の近くや見通しの悪いやぶでは大切です。公園局は、クマよけの鈴は効果がないとしています。
  • まとまって歩く。 人数が多いほど深刻な遭遇は減ります。公園局は4人以上でまとまって歩くことを勧めています。
  • 公式の登山道を、明るい時間に歩く。 新しいふんや足跡など、クマがいた跡に気をつける。
  • 犬は必ずリードをつける。 山に泊まるときやハイキングには、犬を連れて行かないことを勧めています。
  • 食べ物とごみを管理する。 釣った魚の内臓は、流れの速い川や湖の深い所に捨て、岸辺に残さない。
  • ベアスプレーを持つ。 すぐ取り出せるよう、利き手側のホルスターに入れる。リュックの中では間に合いません。

手順:クマを見かけたとき

  1. 落ち着いて、走らない。木に登らない(BC州の案内)。
  2. 静かに、しっかりした声でクマに話しかける。人間だと知らせるためです。
  3. 体を大きく見せながら、ゆっくり後ずさりする。背中を向けない。
  4. 子どもは近くに寄せ、小さい子は抱き上げる。グループでまとまって行動する。
  5. クマが逃げられる道をふさがない。

手順:クマが近づいてきたとき

カナダ公園局は、クマの様子によって対応を分けています。

守ろうとしているクマ(Defensive):食べ物や子グマを守っている、驚いているクマです。

  1. 脅かさないように、落ち着いた声で話しかける。
  2. 近づいてきたらベアスプレーを使う。
  3. 体に触れてきたら、地面に伏せて死んだふりをする。

守る理由がないのに近づくクマ:好奇心や食べ物目当てで近づくクマです。

  1. しっかりした声で話し、大声を出して強気にふるまう。
  2. 近くまで来たらベアスプレーを使う。
  3. 襲ってきたら(獲物として狙うようなとき。まれです)、死んだふりをせず、ベアスプレーを使って全力で反撃する。

オンタリオ州の案内は、州内のアメリカクロクマについて、襲われたら全力で反撃するよう勧めています。死んだふりをするのは、子を守る母グマに襲われているとはっきりしている場合だけとしています。

ベアスプレーの使い方

ベアスプレーは、唐辛子の成分(カプサイシン)を吹きつけてクマを追い払う道具です。カナダ公園局によると、使い方は次のとおりです。

  1. 安全クリップを外す。
  2. クマの顔をねらい、クマとの間に霧の壁を作るように吹く。
  3. 1秒ずつ区切って、クマが去るまで吹く。去ったらすぐにその場を離れる。

使い始める距離の目安は、カナダ公園局とBC州で書き方が違います(2026年10月時点)。

  • カナダ公園局:スプレーは円すい形の霧になって約10m先まで届く。効かせるには、クマがバス1台分より近くにいる必要があり、使うのはクマが攻撃的な態度を見せたときだけ。ページの動画では、有効な距離を5mと説明している。
  • BC州:BC州政府のクマのページ(新しいタブで開く)は、クマが近づきすぎたら、7m以内でペッパースプレーを使うよう案内している。

どちらも、クマがかなり近くまで来てから使う道具だという点は同じです。

風が自分の方に強く吹いていると、自分にかかります。自分の体やテントにかけてもクマよけにはならず、においでかえってクマを引き寄せます。商用の飛行機には、預け荷物でも持ち込めません。車ではクリップを付けたまま、トランクか密閉した容器に入れて運びます。詳しくはカナダ公園局のベアスプレーのページ(新しいタブで開く)にあります。

住宅地でクマを寄せないために

BC州政府は、ごみを収集日まで家の中に置く、バーベキューこんろを使った後に掃除する、クマの出る季節に鳥のえさ台を外す、ペットフードを屋内で密閉する、熟した果物を早めにとる、といった対策を挙げています。BC州では、危険な野生動物に餌をやることは法律で禁止されています。

州・準州ごとの違い

通報先は州や公園によって違います。人に危険が迫っているときは、どこでも911です。

地域通報先
ブリティッシュコロンビア州(BC)攻撃的・威嚇してくるクマは、自然保護官の通報ライン(RAPP)1-877-952-7277
オンタリオ州危険がないクマの目撃は、Bear Wise の通報ライン 1-866-514-2327(4月1日〜11月30日、24時間)

ほかの州・準州や国立公園の通報先は、それぞれの公式サイトに案内があります。

ここに注意してね!

  • 鈴をつけて歩く習慣がある人もいますが、カナダ公園局は鈴は効果がないとして、声を出すことを勧めています。
  • クマの種類と状況によって、すすめられる対応(死んだふりか反撃か)が変わります。出かける地域の公園や州の案内を、出発前に読んでおくと安心です。
  • ベアスプレーは飛行機で運べません。現地で手に入れることになります。

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