ダニとライム病(Ticks and Lyme disease)
カナダのライム病は、マダニの一種(blacklegged tick、western blacklegged tick)にかまれてうつります。BC州南部、マニトバ州、オンタリオ州南部、ケベック州南部、ニューブランズウィック州の一部、ノバスコシア州の全域などが危険のある地域です。かまれないための服装と、外から戻ったあとの全身の確認、ダニの正しい取り方をまとめます。
ライム病とは
ライム病(Lyme disease)は、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borrelia burgdorferi)という細菌による病気です。カナダ公衆衛生庁(Public Health Agency of Canada、PHAC)のページ(新しいタブで開く)によると、カナダでは次の2種類のマダニにかまれてうつります。
- blacklegged tick(deer tick とも呼ばれます)
- western blacklegged tick
ダニはとても小さく、かまれても痛くないことが多いため、かまれたことに気づかない場合があります。PHACは、ほとんどの場合、細菌がうつるには感染したダニが少なくとも24時間くっついている必要があると説明しています。2026年10月時点で、ライム病を防ぐワクチンはありません。
全国で報告された患者の数は増えています。PHACのまとめでは、2020年は1,617人、2024年は5,809人、2025年は速報値で7,105人でした(2025年の数は変わることがあります)。
危険のある地域
PHACは、ダニの危険が知られている場所を「危険地域(risk areas)」として地図で示しています。2026年10月時点の主な地域です。
| 州 | 主な危険地域 |
|---|---|
| BC州 | バンクーバー島の多く、島に面した本土の海岸、BC州南部の川の谷 |
| マニトバ州 | 北緯53度より南の、ダニがすめる環境の場所 |
| オンタリオ州 | マニトバ州との境の近く、エリー湖とオンタリオ湖の北岸から内陸、ヒューロン湖の南岸、キングストンからオタワ方面のセントローレンス川の谷 |
| ケベック州 | モンテレジー、モントリオール、ラヴァル、エストリ、モーリシー・サントル=デュ=ケベック。ウタウェ、ラノディエール、ローランティッドの一部 |
| ニューブランズウィック州 | York、Charlotte、Sunbury、Queens、Saint John、Kings、Albert、Westmorland、Kent、Carleton、Northumberland、Victoria の各郡 |
| ノバスコシア州 | 州の全域 |
気候の変化や動物の移動によって、知られている地域の外でダニが見つかることもあります。最新の地図はPHACの危険地域のページ(新しいタブで開く)にあります。
ダニがいる場所と時期
- 場所:木、低木、背の高い草、落ち葉の山がある場所やその近く。
- 時期:気温がずっと0°Cを上回り、地面が雪で覆われていなければ活動します。出会いやすいのは春・夏・秋です。
- 外に出るペットがダニを庭や家に持ち込むこともあります。
症状
PHACの症状のページ(新しいタブで開く)にある主な症状です。
| 時期 | 主な症状 |
|---|---|
| 早い時期 | 発疹、発熱、寒気、だるさ、頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉や関節の痛み |
| あとの時期(かまれて数日〜数か月後) | ほかの場所の発疹、めまい、ひどい頭痛、場所が移る関節・骨・筋肉の痛み、関節炎、記憶の問題、神経の痛み、顔のまひ、動悸、目の症状 |
特徴的な発疹(遊走性紅斑、erythema migrans)は、ふつうかまれた場所から始まり、数日かけて直径5cm以上に広がります。円や楕円のほか、的(まと)のような形になることもあります。
ライム病は抗生物質で治療します。早く治療を受けるほど、回復の見込みが高くなるとされています。
手順
かまれないために(PHACのダニ対策のページ(新しいタブで開く)より)
- つま先の出る靴をやめ、明るい色の長袖と長ズボンを着る。シャツはズボンに、ズボンは靴下に入れる。
- DEET か Icaridin(イカリジン)の入った虫よけを、服と肌の出ているところに使う。ペルメトリンで処理した服を使う方法もある。どちらもラベルの使い方を守る。
- 刈られた道やトレイルを歩き、動物がつけた道は使わない。子どもやペットを道からはずれさせない。
外から戻ったら
- 自分、子ども、世話をしている人の全身にダニがいないか確かめる。
- できるだけ早くシャワーを浴びる。くっついていないダニを洗い流せます。
- 乾いた服は、乾燥機の高温で少なくとも10分かける。湿っているときはもっと長くかける。
ダニがくっついていたら(PHACのダニの取り方のページ(新しいタブで開く)より)
- 先の細い清潔なピンセットで、できるだけ皮膚に近いところ(頭の部分)をつかみ、ゆっくりまっすぐ引き抜く。ねじったり、つぶしたりしない。
- 口の部分が皮膚に残ったら、ピンセットで取る。
- かまれたところを石けんと水、またはアルコールの消毒剤で洗う。
- ダニは、密閉できる袋や薬のびんなどに入れ、日付、かまれた体の場所、かまれた地域を書いておく。
- 写真を「eTick」に送ると、ダニの種類がわかり、カナダのダニの調査にも役立ちます。
火であぶる、マニキュアや精油、ワセリン、除光液でダニをおおう、といった方法は使いません。ダニが体の中のものを吐き出し、病気がうつるおそれがあるためです。
自分で取れないとき、深く食い込んでいるとき、かまれたあとに症状が出たときは、医療機関を受診します。受診するときは、ダニがくっついていた体の場所、くっついていた時間、かまれた地域を伝えます。
庭や家のまわり
- 芝生をこまめに刈って短くしておく。
- 芝生と木の多い場所の間に、幅1m以上のウッドチップ・マルチ・砂利の境目をつくる。
- 子どもの遊具は、ウッドチップやマルチの上に置く。
- 外に出るペットのダニ対策は、獣医師に相談する。
ここに注意してね!
- カナダでは、モントリオールやバンクーバー島の多くなど、人の多い地域も危険地域に入っています。山奥だけでなく、身近な緑地や庭仕事でも注意が必要です。
- PHACは、ダニが活動する時期を「気温がずっと0°Cを上回り、雪がないとき」としています。夏だけの注意ではありません。
- 早い時期の症状は発熱や頭痛など、ほかの病気と似ています。かまれたことがあれば、受診のときに伝えることが大切です。受診先はウォークインクリニックの記事、電話の健康相談は811の記事でも扱います。
- 州の公衆衛生の窓口が、地域のダニの情報を出しています。住んでいる州・準州の情報も合わせて確かめておくと安心です。
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