LMIA(労働市場影響調査、Labour Market Impact Assessment)
LMIAは、外国人を雇う必要があることを確かめるために、カナダの雇用主が雇用・社会開発省(ESDC)に申請する審査です。雇用主指定の就労許可の多くは、雇用主が肯定的なLMIAを得てから本人が申請します。2026年10月時点の審査料は1つのポジションにつきC$1,000で、雇用主が払います。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
LMIAとは
労働市場影響調査(Labour Market Impact Assessment、LMIA)は、カナダの雇用主が外国人を雇う前に、雇用・社会開発省(Employment and Social Development Canada、ESDC)とその窓口のサービス・カナダ(Service Canada)に申請する審査です。外国人労働者プログラム(Temporary Foreign Worker Program、TFWP)の一部です。
移民・難民・市民権省(IRCC)の雇用主指定の就労許可のページ(新しいタブで開く)では、LMIAを「その仕事を埋めるために外国人を雇う必要があることを示す書類」と説明し、ほとんどの仕事でLMIAが必要としています。
LMIAを申請するのは働く本人ではなく、雇用主です。肯定的な(positive)LMIAが出たら、雇用主はLMIAの通知書とその別紙(Annex A)を本人に渡し、本人がそれを付けてIRCCに雇用主指定の就労許可を申請します。
高賃金と低賃金の区分
ESDCの高賃金・低賃金のページ(新しいタブで開く)によると、雇用主は、提示する時給と州・準州ごとの基準額(州・準州の時給の中央値に20%を足した額)を比べて、申請する区分を決めます。
- 基準額以上:高賃金(High-wage)の区分
- 基準額未満:低賃金(Low-wage)の区分
区分に合わせるために賃金を調整すると、否定的な(negative)LMIAになることがあります。外国人に払う賃金は、同じ仕事・同じ勤務地・同じくらいの技能と経験のカナダ人や永住者と同じ水準である必要があります。
州・準州ごとの違い
基準額(時給)は次のとおりです(2026年10月時点の案内)。
| 州・準州 | 2025年6月27日〜2026年7月16日に受理された申請 | 2026年7月17日以降に受理された申請 |
|---|---|---|
| アルバータ州 | C$36.00 | C$37.50 |
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | C$36.60 | C$38.40 |
| マニトバ州 | C$30.16 | C$31.33 |
| ニューブランズウィック州 | C$30.00 | C$31.73 |
| ニューファンドランド・ラブラドール州 | C$32.40 | C$33.60 |
| ノースウエスト準州 | C$48.00 | C$48.00 |
| ノバスコシア州 | C$30.00 | C$31.96 |
| ヌナブト準州 | C$42.00 | C$45.00 |
| オンタリオ州 | C$36.00 | C$36.92 |
| プリンスエドワードアイランド州 | C$30.00 | C$31.20 |
| ケベック州 | C$34.62 | C$36.00 |
| サスカチュワン州 | C$33.60 | C$34.62 |
| ユーコン準州 | C$44.40 | C$45.60 |
ケベック州で雇う場合は、ケベック州の移民省(MIFI)の基準や手続きも関係します。
雇用主に求められる主な条件
高賃金の区分の要件のページ(新しいタブで開く)などによると、主な条件は次のとおりです。
- フルタイム(週30時間以上)の仕事であること
- LMIAの申請前に、カナダ人と永住者を雇う努力をすること。政府の求人サイト「Job Bank」を含む3つ以上の方法で募集し、申請前の3か月以内に、連続4週間以上募集する
- 地域の時給の中央値などをもとにした「一般的な賃金(prevailing wage)」以上を払うこと。残業代、チップ、ボーナスなどは賃金に含めない
- 外国人労働者から、採用や手続きの費用を取らないこと
- 州の医療保険が使えない期間は、雇用主が民間の医療保険を用意し、費用を払うこと
- 州・準州の労災保険に加入させること
- 働く初日までに、本人が選ぶ英語かフランス語で書いた雇用契約書に双方が署名すること
- 高賃金の区分では、カナダ人の採用・育成を進める移行計画(Transition plan)を出すこと
低賃金の区分では、低賃金の区分の要件のページ(新しいタブで開く)によると、雇用主は往復の交通費を払い(本人から取り戻してはいけない)、適切で手ごろな住まいがあるようにする必要があります。また、1つの勤務地で低賃金の外国人労働者が占める割合には10%の上限があります(建設、食品製造、病院など一部の分野は20%)。
審査されない場合
ESDCの審査をしない場合のページ(新しいタブで開く)によると、次のような申請は受け付けられません。
- 不適格な雇用主(性産業のサービスを定期的に提供する雇用主、IRCCの不適格者の一覧に載っている雇用主など)の申請
- 低賃金の割合の上限を超える申請
- 失業率が6%以上の大都市圏(Census metropolitan area、CMA)での低賃金の仕事(2024年9月26日以降の申請)
- 住み込みが条件の家庭内の介護職
- 過去2年以内にLMIAが取り消された雇用主の申請
- モントリオールとラヴァルの経済圏での一部の低賃金の仕事
失業率の表は3か月ごとに更新されます。2026年10月9日から2027年1月7日までの申請に使う表では、トロント(7.5%)、バンクーバー(7.0%)、モントリオール(7.2%)、カルガリー(6.4%)などが6%以上です。
手順
- 雇用主が、その仕事にLMIAが必要か、LMIAが免除されるかを確かめる(免除については「LMIAが不要な就労許可」)。
- 雇用主が、Job Bankなどで決められた期間、カナダ人と永住者向けに募集する。
- 雇用主が、LMIA Online(Job Bankのアカウントが必要)で申請し、審査料を払う。
- 肯定的なLMIAが出たら、雇用主が本人にLMIAの通知書と別紙(Annex A)を渡す。
- 本人が、IRCCに雇用主指定の就労許可を申請する(「就労許可の全体像」)。
- 働き始める日までに、雇用主と本人が雇用契約書に署名する。
費用
2026年10月時点で、LMIAの審査料は1つのポジションにつきC$1,000です。審査料は雇用主が払い、外国人労働者に払わせたり、取り戻したりしてはいけません。申請を取り下げた場合や、否定的なLMIAになった場合も返金されません(誤って徴収した場合を除く)。審査をしない対象になった申請では、審査料はかかりません。
家庭で医療的な介護をする人や、一定の条件の家庭の保育者、農場の一次農業の仕事など、審査料がかからない場合もあります。働く本人が払うIRCCの就労許可の申請料は、これとは別です。
ここに注意してね!
- LMIAは働く人が自分で申請するものではありません。「LMIAを取ってあげる」として本人に費用を求めることは、制度のルールに反します。審査料や採用の費用を本人が払うよう求められたら、応じる前にESDCの案内で確かめます。
- 雇用主の代わりに手続きをして報酬を受け取れるのは、弁護士、ケベック州の公証人、オンタリオ州のパラリーガル、移民・市民権コンサルタント協会(College of Immigration and Citizenship Consultants、CICC)の会員などに限られます。
- 肯定的なLMIAで雇われた人は、雇われた職種に当たる仕事だけをします。
- 外国人労働者も、カナダの労働法で守られます。雇用主による虐待が疑われるときは、ESDCに通報できます(「外国人労働者の権利と相談先」)。
- 自分の仕事にLMIAが必要かなどの判断は、雇用主、ESDC、IRCC、登録移民コンサルタント(Regulated Canadian Immigration Consultant、RCIC)に相談します。
この記事をシェアする