日本人のためのカナダ情報
仕事・税金 / 働く人の権利

祝日の賃金(Statutory holiday pay)

ひとことで言うと

カナダの祝日(Statutory holiday、オンタリオ州では Public holiday)の数と、祝日の賃金の条件は州・準州で違います。2026年10月時点で、ブリティッシュコロンビア州(BC)は11日、アルバータ州とオンタリオ州は9日、ケベック州は8日、連邦管轄の職場は10日です。祝日に働いたときの扱いも州で違い、ケベック州は通常の給料に祝日の手当を足すか、代わりの休日です。

目次
  1. 祝日の賃金とは
  2. ブリティッシュコロンビア州(BC)
  3. アルバータ州
  4. オンタリオ州
  5. ケベック州
  6. 連邦管轄の職場
  7. 州・準州ごとの違い
  8. 手順
  9. 日本との違い・注意点
ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

祝日の賃金とは

カナダの法律で決まった祝日を、BCでは Statutory holiday、オンタリオ州では Public holiday、連邦では General holiday と呼びます。条件を満たす人は、祝日に休んでも1日分の給料(祝日の賃金)を受け取れ、祝日に働いたときは割増の給料を受け取れます。

どの日が祝日か、誰が対象か、いくら払われるかは、働く州・準州で違います。州・準州ごとの祝日の一覧は「州ごとの祝日」にまとめています。銀行や航空などの連邦管轄の職場は、連邦のカナダ労働法典(Canada Labour Code)のルールです(「州ごとの雇用基準」)。

ブリティッシュコロンビア州(BC)

BC州政府の祝日のページ(新しいタブで開く)によると、BCの祝日は11日です。2026年は次の日です。

  • 元日(1月1日)、ファミリーデー(2月16日)、聖金曜日(Good Friday、4月3日)、ビクトリアデー(5月18日)
  • カナダデー(7月1日)、BCデー(8月3日)、レイバーデー(9月7日)
  • 真実と和解のための国民の日(National Day for Truth and Reconciliation、9月30日)
  • 感謝祭(Thanksgiving Day、10月12日)、リメンブランスデー(11月11日)、クリスマス(12月25日)

イースターサンデー、イースターマンデー、ボクシングデー(12月26日)は、BCの祝日ではありません。

BCで祝日の賃金を受け取る条件

条件のページ(新しいタブで開く)によると、次の両方を満たす必要があります。

  1. 雇われてから30暦日たっている
  2. 祝日の前の30日のうち15日以上、働いたか給料(有給休暇や別の祝日の賃金を含む)を得ている

「祝日の前後の日に働けばよい」と考える人がいるが、BCではそうではない、とわざわざ説明しています。管理職、農場の労働者、漁業者などは対象外です。条件を満たさない人が祝日に働いたときは、通常の給料が払われます。

BCの金額

  • 休んだとき:平均1日分の給料(祝日の前の30日の給料の合計を、働いた日数で割った額)
  • 働いたとき:平均1日分の給料に加えて、最初の12時間は通常の1.5倍、12時間を超えた分は2倍

雇用主と働く人が書面で合意すれば、祝日を別の日に振り替えることができます。

アルバータ州

アルバータ州政府の祝日のページ(新しいタブで開く)によると、アルバータ州の祝日(General holiday)は9日です。雇用主がほかの日を祝日として認めることもでき、その場合は同じルールが適用されます。

アルバータ州で祝日の手当を受け取る条件

祝日の前の12か月に、同じ雇用主のもとで30日以上働いている必要があります。次の場合は受け取れません。

  • 祝日に働くよう求められていた、または勤務予定だったのに休んだ
  • 祝日の直前の勤務予定日か直後の勤務予定日に、雇用主の同意なく休んだ

フルタイム・パートタイム・臨時(casual)で、計算の方法は同じです。

アルバータ州の金額

金額は、祝日がふだん働く日(regular day of work)に当たるかどうかで変わります。

  • ふだん働く日で、休んだとき:平均1日分の給料(average daily wage)
  • ふだん働く日で、働いたとき:雇用主が次のどちらかを選びます
    • 働いた時間の1.5倍の給料+平均1日分の給料
    • 通常の給料+あとで取る休日(その日に平均1日分の給料)
  • ふだん働かない日で、働いたとき:働いた時間の1.5倍の給料
  • ふだん働かない日で、休んだとき:祝日の手当も代わりの休日もなし

平均1日分の給料は、祝日の前の4週間(または祝日の前の給与期間の終わりまでの4週間)の給料を、働いた日数で割った額です。残業代は含みません。

オンタリオ州

オンタリオ州のESAのガイド(祝日)(新しいタブで開く)によると、祝日は9日です。元日、ファミリーデー、聖金曜日、ビクトリアデー、カナダデー、レイバーデー、感謝祭、クリスマス、ボクシングデーです。

イースターサンデー、イースターマンデー、8月第1月曜日(Civic Holiday)、リメンブランスデーを休みにする雇用主もありますが、ESAでは義務ではありません。

オンタリオ州の条件と金額

フルタイム・パートタイム・期間の決まった契約のどれでも対象で、雇われてからの期間や祝日の前に働いた日数は問われません。ただし、祝日の直前の勤務予定日と直後の勤務予定日のどちらかを、正当な理由なく全部は働かなかった場合は、受け取れなくなります。

祝日の賃金は、祝日のある週の前の4週間の通常の給料と、その期間の休暇手当(Vacation pay)を合わせて、20で割った額です。残業代などは含みません。

祝日に働くことに書面で合意したときは、次のどちらかです。

  • 通常の給料+振替の休日
  • 1.5倍の割増の給料+祝日の賃金(振替の休日なし)

ホテル、レストラン、病院、24時間止まらない事業などでは、祝日に働くよう求められることがあります。祝日が休みの日や休暇中に当たったときは、振替の休日(書面で合意すれば祝日の賃金のみ)になります。

ケベック州

ケベック州の労働基準法(Loi sur les normes du travail、N-1.1)(新しいタブで開く)第60条は、7日を祝日(jour férié et chômé)としています。聖金曜日とイースターマンデーは、どちらにするか雇用主が選びます。このほか、6月24日(ケベック州の祝日、Fête nationale)が祝日法(F-1.1)(新しいタブで開く)で祝日とされ、あわせて8日です。

ケベック州の条件と金額

  • 祝日の手当:祝日のある週の前の、完全な4週間の給料(残業代を除く)の20分の1です(第62条)。歩合で払われる人は、前の12週間の60分の1です
  • 祝日に働いたとき:働いた分の給料に加えて、祝日の手当を払うか、代わりの休日を1日与えます。代わりの休日は、祝日の前後3週間以内に取ります(第63条)
  • 休暇中や、もともと勤務日でない日に祝日が当たったとき:祝日の手当か、代わりの休日を1日(第64条)
  • 受け取る条件:祝日の直前か直後の勤務日に、雇用主の許可も正当な理由もなく休んでいないこと(第65条)

6月24日も、祝日法で同じように前の4週間の給料の20分の1の手当が決められています。

連邦管轄の職場

カナダ政府の祝日のページ(新しいタブで開く)によると、連邦管轄の職場の祝日は10日です。元日、聖金曜日、ビクトリアデー、カナダデー、レイバーデー、真実と和解のための国民の日、感謝祭、リメンブランスデー、クリスマス、ボクシングデーです。

祝日の賃金は、祝日のある週の前の4週間の給料(残業代を除く)の20分の1以上です。祝日に働くよう求められたときは、働いた時間の1.5倍以上の給料と、祝日の賃金の両方を受け取ります。祝日に勤務予定だったのに出勤しなかったときは、祝日の賃金を受け取れません。

州・準州ごとの違い

BC・アルバータ州・オンタリオ州・ケベック州と、連邦管轄の職場の比較です(2026年10月時点)。どの日が祝日かは「州ごとの祝日」にあります。

BCアルバータ州オンタリオ州ケベック州連邦管轄の職場
祝日の数11日9日9日8日(6月24日を含む)10日
受け取る条件30暦日の雇用+前の30日のうち15日前の12か月に30日以上働く。前後の勤務予定日に無断で休まない期間は問わない。前後の勤務予定日に働く前後の勤務日に許可なく休まない勤務予定の祝日に出勤する
祝日の手当の計算前の30日の給料÷働いた日数前の4週間の給料÷働いた日数前の4週間の給料と休暇手当の20分の1前の完全な4週間の給料の20分の1前の4週間の給料の20分の1以上
祝日に働いたとき平均1日分+1.5倍(12時間超は2倍)1.5倍+平均1日分、または通常の給料+あとの休日通常の給料+振替休日、または1.5倍+祝日の賃金通常の給料+祝日の手当、または代わりの休日(前後3週間以内)1.5倍以上+祝日の賃金

ほかの州・準州は各州の窓口へ。

手順

  1. 自分の職場が州の管轄か、連邦の管轄かを確かめる。
  2. その州の祝日の一覧(「州ごとの祝日」)と、受け取る条件を確かめる。
  3. 祝日のあとの給与明細で、祝日の賃金や割増が付いているかを確かめる(「給与明細の読み方と天引き」)。
  4. 付いていなければ雇用主に説明を求め、解決しないときは州・準州の雇用基準の窓口に相談する。

ここに注意してね!

  • カナダの法律上の祝日は、全国共通ではなく州・準州によって違います。同じ日でも、ある州では祝日、別の州ではふつうの日ということがあります。
  • 祝日に休んでも給料が出る仕組みは、時給で働く人にも適用されます。ただし、BCでは働き始めて30日たっていないと、アルバータ州では前の12か月に30日以上働いていないと対象になりません。
  • 祝日に働いたときの割増は、州によって違います。ケベック州の法律には1.5倍の割増はなく、通常の給料に祝日の手当を足すか、代わりの休日を取る形です。
  • 会社が休みにしている日でも、法律上の祝日とは限りません。オンタリオ州では、イースターマンデーなどを休みにする雇用主がありますが、ESAの祝日ではありません。
  • 自分の場合に祝日の賃金を受け取れるかは、州・準州の雇用基準の窓口に相談します。

この記事をシェアする

次に読むならこれ

関連する記事

仕事・税金州ごとの雇用基準(Employment standards)カナダの給料・労働時間・休暇・解雇などの最低限のルール(雇用基準)は、ほとんどの職場で州・準州の法律が決めます。銀行や航空など連邦管轄の職場だけは、連邦のカナダ労働法典(Canada Labour Code)が適用されます。申し立ての期限は州で違い、BCとアルバータ州は原則6か月、オンタリオ州は原則2年、ケベック州はお金の請求が原則1年、連邦管轄の職場は原則6か月です。仕事・税金残業代と労働時間(Overtime and hours of work)カナダの残業代のルールは州・準州で違います。ブリティッシュコロンビア州(BC)は1日8時間か週40時間を超えると1.5倍、1日12時間を超えると2倍です。アルバータ州は1日8時間か週44時間を超えた分(多い方)が1.5倍です。オンタリオ州は週44時間、ケベック州は週40時間を超えた分が1.5倍で、1日単位の残業代はありません。連邦管轄の職場は1日8時間・週40時間が基準です。仕事・税金有給休暇と休暇手当(Vacation pay)カナダでは、働く人は年次休暇(Vacation time)と休暇手当(Vacation pay)を受け取ります。ブリティッシュコロンビア州(BC)・アルバータ州・オンタリオ州では、5年未満は年2週間・給料の4%、5年以上は年3週間・6%が最低限です。ケベック州は3年で年3週間・6%になります。辞めるときは、受け取っていない休暇手当が払われます。仕事・税金給与明細(Pay stub)の読み方と天引きカナダの給与明細(Pay stub、Wage statement)には、総支給額、天引き(所得税・カナダ年金制度(CPP)・雇用保険(EI)など)、手取り額が書かれます。法律で決まった天引き以外は、原則として本人が書面で同意したものしか引けず、レジの不足や壊した物の弁償を給料から引くことは、BCやオンタリオ州では認められていません。仕事・税金連邦管轄の職場(カナダ労働法典、Canada Labour Code)銀行、航空、通信、州をまたぐ輸送などの連邦管轄の職場では、州の雇用基準ではなく、連邦のカナダ労働法典が労働時間・休暇・解雇などのルールを決めます。標準は1日8時間・週40時間、残業は1.5倍、有給の病気休暇は年10日までです。申し立ての期限は原則6か月、不当解雇は90日です。仕事・税金職場のハラスメントと差別(Human rights・人権委員会)カナダでは、人種、出身、宗教、性別、年齢、障害などを理由にした職場での差別やハラスメントが、人権の法律で禁じられています。ほとんどの職場は州・準州の人権の法律と窓口、銀行や航空など連邦管轄の職場はカナダ人権法とカナダ人権委員会の対象です。申し立てには期限があります。