有給休暇と休暇手当(Vacation pay)
カナダでは、働く人は年次休暇(Vacation time)と休暇手当(Vacation pay)を受け取ります。ブリティッシュコロンビア州(BC)・アルバータ州・オンタリオ州では、5年未満は年2週間・給料の4%、5年以上は年3週間・6%が最低限です。ケベック州は3年で年3週間・6%になります。辞めるときは、受け取っていない休暇手当が払われます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
休暇の「日数」と「お金」は別のもの
カナダの雇用基準では、年次休暇について2つの権利があります。
- 年次休暇(Vacation time):仕事を休める期間
- 休暇手当(Vacation pay):休暇のときに受け取るお金。それまでの給料の何%という形で計算します
日本の労働基準法の年次有給休暇は、6か月続けて働き、全労働日の8割以上出勤した人に10労働日を与えるという、日数で決める形です。これに対して、カナダの休暇手当は「1年間の給料の4%」のように、給料の総額から計算します。時給で働く人やパートタイムの人にも、この考え方が当てはまります。ルールは州・準州で違い、銀行や航空などの連邦管轄の職場は連邦のカナダ労働法典(Canada Labour Code)のルールです(「州ごとの雇用基準」)。
ブリティッシュコロンビア州(BC)
BC州政府の年次休暇のページ(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。
- 休暇:12か月働いたあと年2週間、5年働いたあと年3週間。休暇は、権利ができてから12か月以内に取ります
- 休暇手当:前の年に払われた給料の4%。5年働いたあとは6%
- 雇われて5暦日以内の人には、休暇手当の権利はありません
- 支払いの時期:休暇が始まる7日以上前。書面で合意すれば、毎回の給料に上乗せして払うこともできます
- 辞めるとき:払われていない休暇手当は、すべて最後の給料で払われます
アルバータ州
アルバータ州政府の休暇のページ(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。
- 休暇:1年働いてから年2週間(最初の4年)。5年続けて働いたあとは年3週間。1年未満は、契約に定めがなければ休暇の日数の権利はありません。休暇は、権利ができてから12か月以内に取ります
- 休暇手当:時給・週給・歩合の人は給料の4%、5年以上は6%。月給の人は、休暇の期間の通常の給料です
- 計算に含まない給料:残業代、祝日の手当、解雇手当、成果に関係のないボーナス、チップ、経費・手当
- 支払いの時期:毎回の給料に上乗せして払うこともできます。まだ払われていない場合は、本人が頼めば休暇の1日以上前、遅くとも休暇が始まったあとの次の給料日までに払います
- 辞めるとき:12か月未満で辞めたときは、働いた間の給料の4%。そのあとは、前の年の未払い分に加えて、4%か6%の分が払われます。支払いは、辞めた給与期間の終わりから10日以内か、最後の日から31日以内です
ケベック州
ケベック州の労働基準法(Loi sur les normes du travail、N-1.1)(新しいタブで開く)では、休暇の権利を「基準年(reference year)」で数えます。基準年は、合意などで別に決めなければ、前の年の5月1日から今年の4月30日までです(第66条)。
- 基準年の終わりに勤続1年未満:1か月ごとに1日、最大2週間(第67条)
- 勤続1年以上:連続した2週間(第68条)。本人が頼めば、3週間になるまで無給の休暇を足せます(第68.1条)
- 勤続3年以上:連続した3週間(第69条)
- 休暇手当:基準年の総支給額の4%。勤続3年以上は6%(第74条)
- 休暇を取る期限:基準年が終わってから12か月以内(第70条)
- 支払いの時期:休暇の前にまとめて払うか、通常の給料と同じ方法で払います。季節的な仕事などでは、毎回の給料に上乗せすることもできます(第75条)
- 辞めるとき:取っていない休暇の分の手当に加えて、その基準年の総支給額の4%か6%が払われます(第76条)
オンタリオ州
オンタリオ州のESAのガイド(休暇)(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。
- 休暇:5年未満は、休暇の権利の年(12か月)ごとに2週間。5年以上は3週間。休暇は、その年が終わってから10か月以内に取ります
- 休暇手当:総支給額の4%。5年以上は6%
- 4%の計算に含むもの:通常の給料(歩合を含む)、残業代、祝日の賃金、解雇手当など。含まないもの:休暇手当そのもの、チップなど
- 支払いの時期:原則として休暇の前。本人が書面か電子的に合意すれば、毎回の給料に上乗せして払うこともでき、その場合は給与明細に分かるように書きます
- 辞めるとき:払われていない休暇手当は、辞めてから7日以内か、次の給料日のどちらか遅い方までに払われます
連邦管轄の職場
カナダ政府の年次休暇のページ(新しいタブで開く)によると、連邦管轄の職場では次のとおりです。
- 1年働いたあと年2週間(給料の4%)、5年続けて働いたあと年3週間(6%)、10年続けて働いたあと年4週間(8%)
- 休暇手当は、休暇が始まる前の14日以内に払うことができます。それが難しいときや職場の慣行があるときは、休暇中か休暇のすぐあとでもよいとされています
- 辞めるときは、終わった年の分の休暇手当を、辞めた日から30日以内に払います。途中の年の分も払われます
州・準州ごとの違い
BC・アルバータ州・オンタリオ州・ケベック州と、連邦管轄の職場の比較です(2026年10月時点)。
| BC | アルバータ州 | オンタリオ州 | ケベック州 | 連邦管轄の職場 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 年2週間・4% | 12か月働いたあと | 1年働いたあと | 5年未満 | 勤続1年以上(1年未満は月1日、最大2週間) | 1年働いたあと |
| 年3週間・6% | 5年働いたあと | 5年続けて働いたあと | 5年以上 | 勤続3年以上 | 5年続けて働いたあと |
| 年4週間・8% | なし(5年以上と同じ) | なし(5年以上と同じ) | なし(5年以上と同じ) | なし(3年以上と同じ) | 10年続けて働いたあと |
| 毎回の給料に上乗せ | 書面で合意すれば可 | 可 | 書面か電子的な合意で可 | 季節的・断続的な仕事などで可 | ― |
| 休暇を取る期限 | 権利ができてから12か月以内 | 権利ができてから12か月以内 | 年が終わってから10か月以内 | 基準年が終わってから12か月以内 | ― |
| 辞めたときの支払い | 最後の給料で | 給与期間の終わりから10日以内か、最後の日から31日以内 | 7日以内か次の給料日の遅い方 | 未消化分+その基準年の4%か6% | 30日以内 |
ほかの州・準州は各州の窓口へ。
手順
- 自分の職場が州の管轄か、連邦の管轄かを確かめる。
- 給与明細で、休暇手当が「Vacation pay」として毎回上乗せされているか、休暇の前にまとめて払われるのかを確かめる(「給与明細の読み方と天引き」)。
- 毎回上乗せされているなら、休暇を取った日の給料は別に出ないことがあります。どちらの払い方かを雇用主に確かめておく。
- 辞めるときは、受け取っていない休暇手当が最後の給料に入っているかを確かめる(「解雇と予告期間・退職時の書類」)。
- 払われないときは、州・準州の雇用基準の窓口に相談する。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本の年次有給休暇は6か月の継続勤務などを条件に日数で与えられますが、カナダの休暇手当は給料の総額の何%かで計算します。BC・アルバータ州・オンタリオ州では、休暇の日数の権利は12か月働いてからです。ケベック州では、1年未満でも1か月ごとに1日の休暇の権利ができます。
- 短い期間だけ働く人でも、休暇手当の権利がある場合があります。BCでは、5暦日を超えて雇われると権利ができます。
- 毎回の給料に休暇手当が上乗せされている場合、休暇の日は無給になることがあります。お金をもらっていても、休暇の日数の権利は別にあります。
- ワーキングホリデーなどで短期間働いて辞めるときも、未払いの休暇手当がないか、最後の給与明細で確かめます。
- 自分の場合の金額や期限は、州・準州の雇用基準の窓口に相談します。
この記事をシェアする