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仕事・税金 / 働く人の権利

解雇と予告期間・退職時の書類(Termination of employment)

ひとことで言うと

カナダで雇用主が働く人を解雇するときは、勤続期間に応じた予告(Notice)か、その代わりのお金を払うのが原則です。ブリティッシュコロンビア州(BC)・アルバータ州・オンタリオ州・ケベック州とも、勤続3か月前後から対象になり、最大8週間分です。正当な理由(just cause)での解雇や自分から辞めたときは対象外です。

目次
  1. 解雇の予告とお金
  2. ブリティッシュコロンビア州(BC)
  3. アルバータ州
  4. ケベック州
  5. オンタリオ州
  6. 連邦管轄の職場
  7. 州・準州ごとの違い
  8. 手順
  9. 日本との違い・注意点
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ここは大事だよ

条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。

解雇の予告とお金

カナダの雇用基準では、雇用主が働く人を辞めさせるとき、一定の期間より長く働いていれば、次のどちらか(または組み合わせ)が必要です。

  • 書面で前もって知らせる(予告、Notice)
  • 予告の代わりにお金を払う(BCでは Compensation for length of service、オンタリオ州では Termination pay)

期間と金額は、州・準州と勤続期間で決まります。銀行や航空などの連邦管轄の職場は、連邦のカナダ労働法典(Canada Labour Code)のルールです(「州ごとの雇用基準」)。ここに書くのは法律の最低限です。

ブリティッシュコロンビア州(BC)

BC州政府の退職と解雇のページ(新しいタブで開く)によると、予告かお金の量は次のとおりです。

  • 3か月以下:なし
  • 3か月を超える:1週間分
  • 1年を超える:2週間分
  • 3年を超える:3週間分。その後1年ごとに1週間ずつ増え、最大8週間分

次の場合は対象外です。

  • 自分から辞めた、または退職した
  • 正当な理由(just cause)で解雇された
  • 続けて3か月未満しか働いていない
  • 臨時の呼び出しの仕事(on-call)だった
  • 12か月以内の決まった期間の契約で雇われた

BCでは、働く人はいつでも辞められ、自分から辞めた場合はこのお金は払われません。

BCの最後の給料

  • 雇用主が辞めさせたとき:最後の日から48時間以内
  • 自分から辞めたとき:最後の日から6日以内

払われていない休暇手当も、最後の給料で払われます(「有給休暇と休暇手当」)。

アルバータ州

アルバータ州政府の解雇のページ(新しいタブで開く)によると、雇用主は書面の予告(termination notice)を出すか、その代わりのお金(termination pay)を払うか、両方を組み合わせます。予告の長さは勤続期間で決まります。

勤続期間予告
90日を超え2年未満1週間
2年以上4年未満2週間
4年以上6年未満4週間
6年以上8年未満5週間
8年以上10年未満6週間
10年以上8週間

勤続90日以下の人、季節や特定の作業だけの仕事、重大な不正行為などの正当な理由(just cause)での解雇は、予告も予告手当も要りません。予告期間中に給料などの条件を下げることや、休暇・ためた残業の休みを使うよう求めることはできません。

アルバータ州では、働く人が自分から辞めるときも書面の予告が必要です(90日を超え2年未満は1週間、2年以上は2週間)。

最後の給料は、解雇があった給与期間の終わりから10日以内か、最後に働いた日から31日以内のどちらかで、雇用主が選びます。同じページは、法律の最低限より多い補償(severance pay)はコモンロー(判例法)で決まるもので、雇用基準法の義務ではないと説明しています。

ケベック州

ケベック州の労働基準法(Loi sur les normes du travail、N-1.1)(新しいタブで開く)第82条によると、雇用主は解雇や6か月以上の一時解雇の前に、書面で予告します。

勤続期間予告
3か月以上1年未満1週間
1年以上5年未満2週間
5年以上10年未満4週間
10年以上8週間

勤続3か月未満の人、期間の決まった契約や特定の仕事の契約が終わった人、重大な過失(serious fault)があった人、不可抗力による場合は対象外です(第82.1条)。予告をしない、または足りないときは、その期間分の通常の給料(残業代を除く)を、解雇のときに払います(第83条)。この条文は、ほかの法律で認められた権利を奪わないとも定めています。

同じ会社で2年以上続けて働いた人が、正当で十分な理由なく解雇されたと考えるときは、解雇から45日以内にCNESST(Commission des normes, de l’équité, de la santé et de la sécurité du travail)に申し立てができます(第124条)。

オンタリオ州

オンタリオ州のESAのガイド(解雇)(新しいタブで開く)によると、続けて3か月以上働いた人は、勤続に応じた書面の予告を受けます。

勤続期間予告
1年未満1週間
1年以上3年未満2週間
3年以上4年未満3週間
4年以上5年未満4週間
5年以上6年未満5週間
6年以上7年未満6週間
7年以上8年未満7週間
8年以上8週間

予告をしないときは、その期間分の通常の給料を一度に払います(Termination pay in lieu of notice)。支払いは、解雇から7日以内か次の給料日のどちらか遅い方です。軽くない故意の不正行為や命令違反などで解雇された場合は対象外です。

裁判で求める道(オンタリオ州)

同じガイドは、ESAの予告・退職金は最低限の基準で、働く人によってはコモンロー(判例法)のもとでこれより大きな権利を持つことがあると説明しています。そのため、元の雇用主を裁判所で「不当解雇(wrongful dismissal)」として訴えることを考える人もいます。

ただし、同じ解雇について、裁判で不当解雇を訴えることと、州の窓口に予告手当・退職金の申し立てをすることは、両方はできず、どちらかを選びます。ガイドは、法律の専門家に相談することも勧めています。

オンタリオ州の退職金(Severance pay)

オンタリオ州には、予告とは別に退職金(Severance pay)の制度があります。ESAのガイド(退職金)(新しいタブで開く)によると、5年以上働いていて、雇用主の世界全体の給与総額がC$250万以上などの条件を満たすと、勤続年数に応じた週数分(最大26週間分)が払われます。

連邦管轄の職場

カナダ政府の解雇のページ(新しいタブで開く)によると、連邦管轄の職場では、3か月以上働いた人に、2週間以上の書面の予告かその分の給料が必要です。3年以上働いた人は、勤続1年ごとに1週間(最大8週間)です。

12か月以上続けて働いた人には、退職金(Severance pay)もあります。勤続1年ごとに2日分か、5日分のどちらか多い方です。自分から辞めたとき、正当な理由による解雇、期間の決まった契約が終わったときは、予告も退職金も対象外です。雇用主は、給料・休暇手当・退職金などを書いた書面(Statement of benefits)を渡します。

州・準州ごとの違い

BC・アルバータ州・オンタリオ州・ケベック州と、連邦管轄の職場の比較です(2026年10月時点)。

BCアルバータ州オンタリオ州ケベック州連邦管轄の職場
対象になる勤続3か月を超える90日を超える3か月以上3か月以上3か月以上
最初の段階1週間分1週間1週間1週間2週間
上限8週間分8週間(10年以上)8週間8週間(10年以上)8週間
予告とは別の退職金―雇用基準法の義務ではない(コモンローで決まる)5年以上などの条件で最大26週間分―12か月以上で、年2日分か5日分の多い方
最後の給料解雇は48時間以内、自己都合は6日以内給与期間の終わりから10日以内か、最後の日から31日以内解雇手当は7日以内か次の給料日の遅い方予告手当は解雇のときに払う―
不当な解雇の申し立て―――(裁判かESAかを選ぶ)勤続2年以上で、解雇から45日以内勤続12か月以上で、解雇から90日以内

ほかの州・準州は各州の窓口へ。

手順

辞めることになったときに確かめることです。

  1. 解雇の場合は、予告の日付か、予告の代わりのお金が書面で示されているかを確かめる。
  2. 最後の給料に、働いた分・残業代・休暇手当・予告の代わりのお金が入っているかを、給与明細で確かめる(「給与明細の読み方と天引き」)。
  3. 離職票(Record of Employment、ROE)が出されるかを確かめる。雇用保険(EI)の申請などに使います(「離職票(ROE)」)。
  4. 雇用契約書、予告の書面、給与明細、勤務の記録を保管する。
  5. 納得できないときは、州・準州の雇用基準の窓口に相談する。期限があります(BCとアルバータ州は最後に働いた日から6か月、オンタリオ州は原則2年、ケベック州の解雇の申し立ては45日。2026年10月時点)。

日本とのちがいと注意点だよ!

  • 日本の労働基準法は、解雇するときは少なくとも30日前に予告するか、30日分以上の平均賃金を払うよう決めています。カナダの雇用基準では、予告の長さが勤続期間に応じて1週間から8週間と変わり、勤続3か月前後まで(アルバータ州は90日以下)は対象外です。
  • 予告の代わりにお金を払う形でも、雇用主は法律の義務を果たせます。
  • 「正当な理由(just cause)」に当たるかどうかは、個別の事情で判断されます。
  • 雇用基準の予告・手当は最低限の基準です。オンタリオ州のガイドは、コモンローのもとでより大きな権利を持つ人がいると説明していますが、裁判を選ぶと同じ解雇について州の窓口への申し立てはできません。
  • 自分の場合にどの補償を受けられるかは、州・準州の雇用基準の窓口か弁護士に相談します。
  • 解雇が差別やハラスメントに関係しているときは、別の窓口が担当することがあります(「職場のハラスメントと差別」)。

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仕事・税金州ごとの最低賃金(Minimum wage)カナダの最低賃金は州・準州ごとに決まり、2026年10月時点の一般の最低賃金は時給C$15.00(アルバータ州)からC$20.17(ヌナブト準州)まで幅があります。銀行や航空など連邦管轄の職場には連邦の最低賃金(C$18.15)があり、州の額の方が高ければ高い方が適用されます。仕事・税金残業代と労働時間(Overtime and hours of work)カナダの残業代のルールは州・準州で違います。ブリティッシュコロンビア州(BC)は1日8時間か週40時間を超えると1.5倍、1日12時間を超えると2倍です。アルバータ州は1日8時間か週44時間を超えた分(多い方)が1.5倍です。オンタリオ州は週44時間、ケベック州は週40時間を超えた分が1.5倍で、1日単位の残業代はありません。連邦管轄の職場は1日8時間・週40時間が基準です。仕事・税金祝日の賃金(Statutory holiday pay)カナダの祝日(Statutory holiday、オンタリオ州では Public holiday)の数と、祝日の賃金の条件は州・準州で違います。2026年10月時点で、ブリティッシュコロンビア州(BC)は11日、アルバータ州とオンタリオ州は9日、ケベック州は8日、連邦管轄の職場は10日です。祝日に働いたときの扱いも州で違い、ケベック州は通常の給料に祝日の手当を足すか、代わりの休日です。

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