職場の安全と労災(WorkSafeBC・WSIB・WCB・CNESST)
仕事でのけがや病気(労災)の補償は、州・準州ごとの労災保険の機関が扱います。BCはWorkSafeBC、オンタリオ州はWSIB、ケベック州はCNESSTです。けがをしたら雇用主に伝え、医療者に仕事でのけがだと話し、期限内に機関へ届け出ます。危険な作業を断る権利もあります。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
労災の補償は州・準州ごと
仕事中のけがや、仕事が原因の病気(労災)の補償は、州・準州ごとの労災保険の機関(Workers’ Compensation Board、WCB など)が扱います。機関によって、届け出の期限、手続き、給付の内容が違います。働いている州・準州の機関の決まりに従います。
カナダ労働安全衛生センター(Canadian Centre for Occupational Health and Safety、CCOHS)の労災保険の機関の一覧(新しいタブで開く)をもとにすると、各地の機関は次のとおりです。
州・準州ごとの違い
| 州・準州 | 労災保険の機関 |
|---|---|
| アルバータ州 | Workers’ Compensation Board of Alberta(WCB Alberta) |
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | WorkSafeBC |
| マニトバ州 | Workers Compensation Board of Manitoba |
| ニューブランズウィック州 | WorkSafeNB |
| ニューファンドランド・ラブラドール州 | WorkplaceNL |
| ノースウエスト準州・ヌナブト準州 | WSCC(2つの準州で共通) |
| ノバスコシア州 | Workers’ Compensation Board of Nova Scotia |
| オンタリオ州 | 職場安全保険委員会(Workplace Safety and Insurance Board、WSIB) |
| プリンスエドワードアイランド州 | Workers’ Compensation Board of Prince Edward Island |
| ケベック州 | Commission des normes, de l’équité, de la santé et de la sécurité du travail(CNESST) |
| サスカチュワン州 | Saskatchewan Workers’ Compensation Board |
| ユーコン準州 | Yukon Workers’ Compensation, Health and Safety Board |
連邦政府の職員は、別の制度(連邦の労災補償サービス)の対象です。
BC(WorkSafeBC)
WorkSafeBCの働く人向けの届け出のページ(新しいタブで開く)によると、届け出はオンライン(24時間)か電話でできます。1回の事故による体のけがはオンラインが向いており、心の病気、聴力の低下、長い時間をかけて起きた病気などは電話が勧められています。
- 働く人の届け出の期限:けがをした日から1年以内
- 雇用主の届け出の期限:けがや病気を知ってから72時間以内
- 休まなかった軽いけがでも、できるだけ早く連絡するよう求めています。
届け出には、雇用主の情報、BCの医療保険の番号(Personal Health Number、あれば)、けがの日時・原因・場所、受けた治療、仕事を休んだ場合は過去12週間の収入、社会保険番号(SIN)などが必要です。
オンタリオ州(WSIB)
WSIBの届け出のページ(新しいタブで開く)によると、働く人は、オンライン、電話、WSIBの事務所、労働組合を通して届け出ができます。電話は1-800-387-0750(月〜金 7:30〜17:00)です。
- 働く人の届け出の期限:けがや病気の日から6か月以内
- 雇用主は、けがをした日の給料を全額払います。
- 雇用主は、治療(応急手当を超えるもの)が必要なときや、仕事を休んだときなどに、3営業日以内に届け出ます。
- 通訳・翻訳は無料で頼めます(1-800-465-5606)。
WSIBは、雇用主がけがの届け出をしないよう働く人に求めることは違法だと明記しています。「届け出たらクビにする」と言われた場合も、働く人は守られます。
ケベック州(CNESST)
CNESSTの労災にあったときのページ(新しいタブで開く)によると、流れは次のとおりです。
- すぐに雇用主に伝えます。医療を受けなくても伝えます。雇用主は応急手当をし、病院・診療所・自宅までの移動の費用(救急車、タクシー、公共交通など)を負担します。
- 医療者に診てもらい、診断書(attestation médicale)を受け取ります。医療者は自分で選べます。
- その日の残りを働けなかったときは、雇用主がその日の賃金を100%払います。
- 翌日も働けないときは、診断書を雇用主に渡します。最初の14日間は、ふだん働く日について、雇用主が手取りの賃金の90%を払います。
- 働く人の届け出(Réclamation du travailleur)は、けがの日から6か月以内です。性暴力によるけがや病気は2年以内です。オンライン(MonEspace CNESST)で出せます。届け出の写しは雇用主にも渡します。
- ケベック州の外で起きた労災では、CNESSTとほかの地域の制度のどちらで補償を受けるかを選ぶことがあります。
手順
けがをしたときの一般的な流れです。期限や方法は州・準州で違います。
- 安全を確保し、必要なら治療を受ける。命に関わるときは911。
- すぐに雇用主(上司)に伝える。
- 医師などの医療者に、仕事でのけがや病気だと伝える。
- 働いている州・準州の労災保険の機関に、期限内に届け出る(BCは1年、オンタリオ州とケベック州は6か月)。
- 届け出の番号(claim number)を受け取ったら、医療者に伝える。オンタリオ州では、届け出の写しを雇用主にも渡します。
危険な作業を断る権利(BCとケベック州の例)
WorkSafeBCの危険な作業を断るページ(新しいタブで開く)によると、BCでは、自分やほかの人を危険にさらすと考える作業を断ることができます。
- すぐに作業を止め、上司か雇用主に危険を伝える。
- 解決しなければ、安全衛生委員会の代表、労働組合の代表、または本人が選んだほかの働く人の立ち会いのもとで、一緒に調べる。
- それでも解決しなければ、WorkSafeBC(Prevention Information Line:604.276.3100、1.888.621.7233)に連絡する。
この手順に従って断ったことを理由に、処分を受けることはありません。その間、雇用主は給料を減らさずに別の仕事を割り当てることができます。ほかの州・準州にも同じような権利がありますが、手続きは州ごとに決まっています。
ケベック州の場合
ケベック州では、労働安全衛生法(Loi sur la santé et la sécurité du travail)(新しいタブで開く)第12条が、自分やほかの人の健康・安全・心身を危険にさらすと考える合理的な理由があるとき、作業を断る権利を定めています。
- すぐに上司か雇用主(またはその代理の人)に伝える(第15条)。
- 上司などは、安全衛生の代表(いなければ労働組合の代表、それもいなければ断った人が選んだほかの働く人)を呼び、一緒に状況を調べる(第16条)。
- 解決しなければ、CNESSTの検査官(inspecteur)に入ってもらい、危険があるかを判断してもらう(第18条・第19条)。
断っている間は働いているものとみなされます(第14条)。断ったことを理由に、解雇、停職、配置換えなどの不利な扱いをすることは禁じられています(第30条)。ただし、作業が本人の仕事としてふつうの条件である場合や、断ることでほかの人の命などを今すぐ危険にさらす場合は、この権利を使えません(第13条)。
費用
労災の届け出に費用はかかりません。WSIBの通訳・翻訳も無料です(2026年10月時点)。
ここに注意してね!
- カナダの労災保険は、国ではなく州・準州ごとの機関が運営しています。引っ越したり、別の州で働いたりするときは、その州の機関を確かめます。
- 届け出の期限は州で違います(BCは1年、オンタリオ州とケベック州は6か月)。軽いけがでも早めに雇用主と機関に伝えます。
- 雇用主に届け出をやめるよう言われても、オンタリオ州ではそれ自体が違法です。困ったときは、働いている州・準州の機関に直接相談します。
- 給付を受けられるかどうか、いくらになるかは、各機関が判断します。不服があるときの手続きも機関ごとに決まっています。
- ワーキングホリデーや学生、一時外国人労働者として働く人も、外国人労働者向けの相談先を使えます(「外国人労働者の権利と相談先」)。
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