カナダの税金の仕組み(連邦税と州税)
カナダの個人の所得税は、連邦の税と州・準州の税の2つを合わせて払います。どちらも所得が高い部分ほど税率が上がる累進課税で、2026年の連邦の税率は14%から33%です。ケベック州以外では、州・準州の所得税も含めてカナダ歳入庁(CRA)が集め、給料からの源泉徴収と翌年の確定申告で精算します。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
所得税は連邦と州・準州の2本立て
カナダで働いて得た所得には、連邦(国)の所得税と、州・準州の所得税の両方がかかります。CRAの2026年の税率のページ(新しいタブで開く)も、州・準州の税率は連邦の税率に加えてかかると説明しています。
州・準州の所得税の税率や控除は、州・準州が決めます。そのため、同じ年収でも、住んでいる州・準州によって税額が変わります。
ケベック州以外では、カナダ歳入庁(Canada Revenue Agency、CRA)が、州・準州の個人所得税もまとめて集めています。ケベック州に住む人は、州の所得税の扱いが違います(「ケベック州の税金」)。
税金の種類
日常生活で関わる主な税金と保険料です。
- 所得税(Income tax):連邦と州・準州。この記事で扱います。
- 消費税(GST/HST・PST):買い物にかかる税金。州・準州で税率が違います(「消費税」)。
- カナダ年金制度(CPP)の保険料と雇用保険(EI)の保険料:税金ではありませんが、所得税と一緒に給料から引かれます(「給与明細の読み方と天引き」)。
累進課税のしくみ
所得税は、課税所得(taxable income)を金額の段階(bracket)に分け、高い段階の部分ほど高い税率をかけます。所得が上の段階に入っても、上の税率がかかるのはその段階に入った部分だけです。
2026年の連邦の税率
| 課税所得の部分 | 税率 |
|---|---|
| C$58,523まで | 14% |
| C$58,523超〜C$117,045 | 20.5% |
| C$117,045超〜C$181,440 | 26% |
| C$181,440超〜C$258,482 | 29% |
| C$258,482超 | 33% |
たとえば課税所得がC$60,000なら、C$58,523までに14%、それを超えるC$1,477に20.5%がかかります。実際の税額は、ここから下の控除(クレジット)を差し引いて計算します。
基礎控除(Basic personal amount)
連邦の税額の計算では、だれでも使える基礎控除額(Basic personal amount)があります。2026年は最大C$16,452です。所得が高い人は少なくなり、33%の段階に入る人はC$14,829です。CRAによると、2026年の税率の段階や控除額は、物価に合わせて2.0%引き上げられています。
州・準州ごとの違い
CRAの税率表にある3つの州と、Revenu Québec の税率表にあるケベック州の、2026年の税率です(連邦税に加えてかかります)。
| 州 | 課税所得の部分と税率 |
|---|---|
| アルバータ州(AB) | C$61,200まで8%/C$154,259まで10%/C$185,111まで12%/C$246,813まで13%/C$370,220まで14%/それを超える部分15% |
| ブリティッシュコロンビア州(BC) | C$50,363まで5.6%/C$100,728まで7.7%/C$115,648まで10.5%/C$140,430まで12.29%/C$190,405まで14.7%/C$265,545まで16.8%/それを超える部分20.5% |
| オンタリオ州(ON) | C$53,891まで5.05%/C$107,785まで9.15%/C$150,000まで11.16%/C$220,000まで12.16%/それを超える部分13.16% |
| ケベック州(QC) | C$54,345まで14%/C$108,680まで19%/C$132,245まで24%/それを超える部分25.75% |
ほかの州・準州の税率も、同じCRAの税率表(新しいタブで開く)に載っています。ケベック州の税率は、CRAのページではなくRevenu Québec の税率のページ(新しいタブで開く)に載っています。ケベック州の所得税は Revenu Québec が集めるため、その年の12月31日にケベック州に住んでいた人は、CRAへの連邦の申告とは別に、Revenu Québec にも州の申告をします(「ケベック州の税金」)。
税金を納める流れ
給料をもらっている人の一般的な流れです。
- 働き始めるときに、源泉徴収の申告書(TD1)を雇用主に出す(「源泉徴収の申告書(TD1)」)。
- 雇用主が、給料から連邦と州・準州の所得税、CPP、EIを引いて、CRAに納める。
- 年が明けると、雇用主からT4(1年分の給与と天引きの証明)を受け取る(「T4などの税務書類」)。
- 翌年の春に確定申告をして、引かれた税金と本当の税額の差を精算する。払いすぎなら還付、足りなければ納付(「確定申告の基本と期限」)。
申告の内容は、税務上の居住者かどうかで変わります(「税務上の居住者の判断」)。
費用
税率と控除額は、上の2026年の数字のとおりです(2026年10月時点)。給料から引かれるCPPは2026年に5.95%(上限C$4,230.45)、EIはケベック州以外で1.63%(上限C$1,123.07)です。
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダの所得税は連邦と州・準州の2本立てで、州・準州の税率は地域ごとに違います。引っ越すと税率も変わります。
- ケベック州以外では、州・準州の所得税もCRAがまとめて集めます。ケベック州は扱いが違います。
- 給料から源泉徴収されていても、翌年の確定申告で精算します。
- 税率の段階や控除額は、毎年物価に合わせて変わります。前の年の数字をそのまま使わないようにします。
- 自分の税額や、日本の所得との関係は個別の事情で変わります。判断はCRAか税理士に相談します。
この記事をシェアする