日本の銀行口座と証券口座の扱い(カナダに住むとき)
カナダに住むとき、日本の銀行口座や証券口座の扱いは、口座のある金融機関に確かめます。日本の金融機関には、居住地国が変わったら3か月以内に「異動届出書」を出す決まりがあり、海外の居住者の口座情報は税務当局の間で交換されます。NISAは、出国中は新しく買えません。
目次
口座をどうするかは金融機関ごとに違う
日本を離れてカナダに住むとき、日本の銀行口座や証券口座を残すか、解約するかで迷う人は多くいます。
海外に住む人の口座の扱い(使い続けられるか、どの取引ができるか)は、口座のある金融機関に確かめる必要があります。金融庁も、NISAについてのQ&Aで、具体的な手続きや扱いは金融機関によって違うため、口座のある金融機関に問い合わせるよう案内しています。
この記事では、どの金融機関にも共通する日本の制度を紹介します。特定の銀行や証券会社はすすめません。
住所が変わったら金融機関に届け出る
全国銀行協会の案内(新しいタブで開く)は、口座の名義人の住所は銀行にとって大切な情報だとして、引っ越したら銀行に届け出るよう求めています。
一般的な手続きは、新しい住所が書かれた本人確認書類と届出印を持って窓口に行き、「住所変更届」を出す方法です。郵送や電話で手続きできる銀行もあります。
海外に引っ越すときの住所変更の扱い(海外の住所を登録できるか、日本の連絡先が必要か)は、日本を出る前に口座のある金融機関に確かめておくと安心です。日本を出る前の手続き全体は「日本を出る前の手続き(海外転出届)」にまとめています。
居住地国が変わったら3か月以内に「異動届出書」
日本の金融機関には、口座を持つ人の「居住地国」を届け出るしくみがあります。各国の税務当局が、外国に住む人の金融口座の情報を交換する国際的な取り決め(共通報告基準、Common Reporting Standard、CRS)にもとづく制度です。
国税庁の案内(新しいタブで開く)によると、決まりは次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象の金融機関 | 銀行、資金移動業者、証券会社、保険会社など |
| 口座を開くとき | 氏名、住所、居住地国、外国が居住地国のときはその国の納税者番号などを書いた「新規届出書」を出す |
| 居住地国が変わったとき | 「異動届出書」を、変わった日から3か月を過ぎる日までに出す |
| 金融機関の報告 | 居住地国が特定の外国の人の口座情報を、毎年4月30日までに税務署長に報告する |
| 外国への提供 | 報告された情報は、租税条約などにもとづいて、その外国の税務当局に提供される |
居住地国は、その外国の法令で、その国の税金の上の居住者にあたるかどうかで決まります。日本の所得税法上の非居住者かどうかとは別の判断です。日本と外国の両方が居住地国にあたる人は、制度の上では両方を書きます。
外国が居住地国の場合は、その国の納税者番号を届出書に書く必要があります。国税庁の「CRSコーナー」で、各国の納税者番号の制度を調べられます。
カナダの税金の上で居住者にあたるかどうかは「日本の所得税と非居住者」の記事も参考にしてください。判断が難しいときは、税理士に相談します。
NISAは出国中に新しく買えない
金融庁のNISAのQ&A(新しいタブで開く)によると、転勤の命令などやむを得ない理由で一時的に出国する場合は、前もって手続きをすれば、NISA口座で持っている上場株式などについて、一定の期間、非課税の扱いを続けられます。
ただし、出国中にNISA口座で新しく買うことはできません。手続きの具体的な内容は金融機関によって違うため、出国前に口座のある金融機関に確かめます。
租税特別措置法第37条の14(新しいタブで開く)(e-Gov法令検索)では、届出と期間は次のとおりです(2026年10月時点)。
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 出国するときの届出 | 出国の日の前日までに、NISA口座のある金融機関に届出書を出す |
| 続けて非課税にしたいとき | 勤め先からの転任の命令など、やむを得ない理由で出国する人は「継続適用届出書」を出す。そのほかの人は、出国する旨の届出書を出す |
| 続けられる期間 | 継続適用届出書を出した日から5年を経過する日の属する年の12月31日まで |
| 帰国したとき | 上の期間内に、同じ金融機関に「帰国届出書」を出すと、NISA口座での受け入れを再開できる |
| 帰国届出書を出さなかったとき | 上の期間の最後の日に、NISA口座の廃止届出書を出したものとみなされる |
継続適用届出書を出していても、出国してから帰国届出書を出すまでの間に取得した株式などは、NISA口座に受け入れられません。出国の年に「国外転出時課税」(所得税法第60条の2)の対象になる人は、継続適用届出書を出せません。
長く使わない口座は「休眠預金」になる
金融庁の休眠預金の案内(新しいタブで開く)によると、10年以上入出金などの取引がない預金は「休眠預金」になります。2009年1月以降に最後の取引があった預金が原則として対象です。
- 休眠預金になったあとも、取引のあった金融機関で引き出せます。通帳やキャッシュカード、本人確認書類などが必要です。
- 外貨預金など、預金保険制度の対象にならない預金は対象外です。
金融庁は、届け出ている住所やメールアドレスが変わっていないか確かめるよう呼びかけています。カナダでの暮らしが長くなるときは、口座の状況を時々確かめておくと安心です。
手順
- 日本を出る前に、口座のある銀行・証券会社に、海外に住むことになった場合の扱い(続けて使えるか、使える取引、住所の登録方法)を問い合わせます。
- 住所変更が必要なら、金融機関の決まりに従って届け出ます。
- 居住地国が変わったら、変わった日から3か月以内に「異動届出書」を出します。
- NISA口座がある人は、出国前に金融機関で必要な手続きを確かめ、出国の日の前日までに届出書を出します。
- 残す口座は、取引の記録や届け出た連絡先を時々確かめます。
費用
口座の維持手数料や、海外に住む人の口座の扱いにかかる手数料は、金融機関ごとに違います。手数料は銀行ごとに違うので、口座のある銀行に確かめます。カナダとの送金の方法と手数料は「日本との送金と為替」で扱っています。
日本とのちがいと注意点だよ!
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