カナダで日本の年金を受け取る(海外居住の年金受給者の手続き)
カナダに住みながら日本の年金を受け取るには、日本年金機構に「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」を出し、毎年、誕生月の末日までに現況届を出します。受取口座は日本の金融機関(ゆうちょ銀行を除く)か海外の金融機関です。税金や手続きの判断は日本年金機構や税務署に確かめます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
カナダに住んでも日本の年金は受け取れる
日本の年金を受け取っている人や、これから受け取る人がカナダに住む場合も、手続きをすれば年金を受け取れます。日本年金機構の海外居住のページ(新しいタブで開く)によると、海外に住んで年金を受け取るときは、次の届書を出します。
- 外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届
この届書で、カナダの住所と、年金を振り込む金融機関を登録します。提出先は年金事務所です。
受取口座の選び方
| 受取先 | 主な決まり |
|---|---|
| 日本の金融機関 | 海外に住んでいても指定できる。ただしゆうちょ銀行は指定できない |
| 海外の金融機関(カナダの銀行など) | SWIFTコードが必要。口座の証明、小切手帳の写し、通帳の写しなどを添付する |
海外の金融機関に送金する場合、国ごとに送金の通貨が決められていて、自分で通貨を選ぶことはできません。日本年金機構の国別送金通貨一覧(新しいタブで開く)では、カナダ向けはカナダ・ドルです(2026年10月時点)。
日本年金機構の受取金融機関のページ(新しいタブで開く)によると、海外に住む人が受取先を変えるときの届書は次のとおりです。受取先を変えた後の最初の振込までに、3週間から4週間かかる場合があります。
| 新しい受取先 | 届書 |
|---|---|
| 海外の金融機関 | 外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届 |
| 日本の金融機関 | 年金受給権者受取機関変更届 |
届書の書き方の主な注意
日本年金機構の届書の記入方法(PDF)によると、次の点に注意します。
- ブロック体のアルファベット大文字かアラビア数字で書く。
- 基礎年金番号(10桁)と年金コード(4桁)は、年金証書や送金通知書に書かれている。年金コードが複数あれば、すべて書く。
- 氏名は、海外送金の口座名義にもなる。口座名義と違うと、振り込めないことがある。
- 住所は、郵便が必ず届く場所を、番地・通り・部屋番号、都市名、州名、郵便番号、国名に分けて書く。
- SWIFT(BIC)コードは、左から11桁で書く。8桁のコードは、最後の3桁を「XXX」とする。中継銀行のコードは登録できない。
- 「その他銀行コード」(任意)には、TRANSIT などの欄がある。
- 氏名、金融機関名、支店名、口座番号が確かめられる書類の写しを添付し、記入した内容と一致していることを確かめる。
毎年の現況届
海外に住む受給者は、年に1回「現況届」を出して、生きていることと住所を知らせます。日本年金機構の現況届のページ(新しいタブで開く)によると、次のとおりです(2026年10月時点)。
- 送られてくる時期:誕生月の3か月前(2025年4月に誕生月を迎える人から変わった)。
- 提出期限:誕生月の末日。
- 日本国籍の人の添付書類:住んでいる国の日本の大使館・総領事館が出した在留証明。誕生月の前6か月以内に証明されたものを使う。
- 外国籍の人:在留証明の代わりに、自分の国の戸籍・住民票に当たる書類や、公的機関・公証人などの第三者の証明を使う。
- マイナンバーカードを持っている人は、e-Gov電子申請で現況届を出すこともできる。
- 提出先は、日本年金機構の中央年金センターの外国業務を受け持つ部署(東京)。
在留証明の取り方は「在留証明・署名証明」で扱います。障害年金を受け取っている人には、別に診断書の用紙が送られてきます。
これから年金を請求する人
日本年金機構の請求のページ(新しいタブで開く)によると、海外に住む人が老齢年金を請求するときの流れは次のとおりです。
- 請求できるのは、受け取り始める年齢に達した日(誕生日の前日)以降。
- 「年金請求書(国民年金・厚生年金保険 老齢給付)」をダウンロードして使う。
- 提出先は、日本で最後に住んでいた住所を受け持つ年金事務所か、街角の年金相談センター。
- 年金請求書には、上の「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」を必ずつける。
- 戸籍や住民票などは、受給権が生まれた日以降で、請求書を出す日から6か月以内に交付されたものを使う。
日本の加入期間だけでは受け取る条件を満たさないときは、カナダ年金制度(CPP)の期間を合わせて数えられる場合があります。「日加社会保障協定」で扱います。
手順
すでに日本の年金を受け取っていて、カナダに移る場合の流れの例です。
- 年金事務所で、海外に住むときの手続きと受取口座を相談する。
- 受取口座(日本の金融機関かカナダの金融機関)を決める。カナダの口座なら、SWIFTコードと口座の証明を用意する。
- 「外国居住年金受給権者 住所・受取金融機関 登録(変更)届」を年金事務所に出す。日本年金機構は、提出期限を「年金支払日の前々月末日」としている。
- 毎年、誕生月の3か月前に届く現況届に、在留証明をつけて誕生月の末日までに出す。
- カナダの中で引っ越したときや口座を変えたときは、そのつど届け出る。
費用
届書の提出に手数料はかかりません。在留証明の手数料は大使館・総領事館が決めています。
日本の年金にかかる税金は、国税庁 タックスアンサー No.2884(新しいタブで開く)によると、非居住者に支払われる公的年金等の源泉徴収の税率は 20.42% です(2026年10月時点)。年金の額から、5万円(65歳以上は9万5千円)に年金の額に係る月数を掛けた金額を差し引いた残りに、この税率を掛けます。同じページには、2027年分以後は源泉徴収する税の内訳が変わることも書かれています。
カナダでの税金
カナダの居住者は、日本の年金もカナダの確定申告に含めます。カナダ歳入庁(Canada Revenue Agency、CRA)の外国の年金の申告のページ(line 11500)(新しいタブで開く)によると、次のとおりです。
- その年に受け取った外国の年金の総額(税を引かれる前の額)を、カナダ・ドルで申告する。
- 換算には、受け取った日のカナダ銀行(Bank of Canada)の為替レートを使う。年に何回も受け取った場合は、年平均のレートを使う。
- 紙で申告するときは、年金の種類と、どの国から受け取ったかを書いたメモを添える。
- 外国で年金に税金を払った場合は、外国税額控除(line 40500)を使える場合がある。
- 租税条約でカナダでは非課税になる部分は、line 25600 で差し引ける。
日加租税条約には年金の条がありません。財務省が公開している条約の統合条文(新しいタブで開く)では、ほかの条に定めのない所得は第20条(その他の所得)が扱います。第20条は、その所得は住んでいる国で課税するとしたうえで、相手の国で生じた所得には相手の国も課税できるとしています。第21条は、カナダの居住者が日本で納めた税をカナダの税から差し引く仕組みを定めています。
CRAの年金所得控除のページ(line 31400)(新しいタブで開く)によると、外国の年金のうち line 25600 で差し引かない部分は、連邦の年金所得控除(Pension income amount。上限 C$2,000、2026年10月時点)の対象になり得ます。条件は年齢や年金の種類で違います。自分の場合の扱いは、CRAや両国の税に詳しい税理士に確かめます(「日加租税条約」)。
日本とのちがいと注意点だよ!
- 日本年金機構のカナダについての注意事項(新しいタブで開く)によると、日本とカナダの租税条約には年金についての条項がないため、年金は支払う国の税法で課税されます。日本年金機構は、租税条約を使って所得税が免除される国もあるが、年金条項がないなどの理由で適用されない国もあるとしています。
- 毎年1月末に、前の年に海外に住んでいた人には、支払った年金の額と源泉徴収した税額を書いた書類が送られてきます。日本の税金の区分は「日本の所得税と非居住者」で扱います。
- 20歳前の病気やけがによる障害基礎年金と、年金生活者支援給付金は、海外に住むと支給が止まります。
- 現況届には在留証明が必要です。在留証明の取り方や所要日数は、住む地域を受け持つ大使館・総領事館の案内で確かめておきます。
- 個別の受給額や手続きは、日本年金機構(年金事務所)に問い合わせます。
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