日本の住民税と出国のタイミング
日本の個人住民税は、その年の1月1日に住所がある市区町村が、前の年の所得をもとにかける税金です。そのため、カナダへ出国したあとでも、1月1日に日本に住所があった年度の住民税は納める必要があります。出国後に納める人がいないときは、納税管理人を決めて市区町村に届け出ます。
条件や金額は変わることがあります。手続きの前に、必ず公式の窓口やページで最新の情報を確認してください。個別の判断は、登録された専門家に相談してください。
1月1日に住所がある市区町村で課税される
総務省の個人住民税のページ(新しいタブで開く)によると、個人住民税は、その年の1月1日の時点で市区町村(都道府県)に住所がある人にかかります。地方税法第318条(新しいタブで開く)も、個人の市町村民税の賦課期日(税をかける基準の日)を、その年度の初日が属する年の1月1日と定めています。
住民税には都道府県の分と市区町村の分があり、まとめて市区町村に納めます。中身は次の2つです。
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| 所得割 | 前の年(1月1日〜12月31日)の所得をもとに計算。標準の税率は10%(道府県民税4%、市町村民税6%。政令指定都市は2%と8%) |
| 均等割 | 所得にかかわらない定額。標準は4,000円(道府県民税1,000円、市町村民税3,000円)。2024年度からは、あわせて森林環境税(国税)1,000円も徴収 |
実際の税率や額は、都道府県や市区町村がそれぞれ決めています。所得が少ない人などは、課税されないこともあります。
出国のタイミングと住民税
住民税は「1月1日に住所があるか」と「前の年の所得」で決まるため、出国の時期によって、日本を出たあとにも住民税の支払いが残ることがあります。考え方の例です。
| 出国の時期の例 | その年の1月1日の住所 | 出国後に残る住民税の例 |
|---|---|---|
| 2027年3月に出国 | 日本 | 2027年度分(2026年の所得にかかる分)を納める |
| 2026年12月に出国し、転出届を出した | 2027年1月1日は日本に住所がない | 2027年度分はかからない。2026年度分(2025年の所得にかかる分)の残りは納める |
どの年度の分がいくら残るかは、所得や市区町村の扱いで変わります。具体的な額は、住んでいる市区町村の住民税の担当に確かめます。
納め方と納税管理人
総務省によると、住民税の納め方には2つあります。
- 普通徴収:市区町村から届く納税通知書にしたがって、自分で納める。
- 特別徴収:会社などが給料から天引きして、本人の代わりに納める。会社員は原則としてこの方法です。
会社を辞めて出国する場合、残りの住民税をどう納めるかは、勤務先と市区町村に確かめます。
納税管理人
地方税法第300条(新しいタブで開く)は、市町村民税を納める人が、その市区町村に住所などを持たなくなるときは、納税に関することを処理させるため、納税管理人を決めて市区町村長に申告することを求めています。納税管理人は、原則として条例で決める地域に住所などがある人から選びます。その地域の外の人を選ぶときは、市区町村長の承認が必要です。
ただし、住民税の徴収に支障がないことについて市区町村長の認定を受けたときは、納税管理人を決めなくてもよいとされています。
手順
出国前の流れの例です。
- 出国の予定日と、その前後の1月1日に日本に住所があるかを確かめる。
- 住んでいる市区町村の住民税の担当に、出国後に残る住民税の年度と額の見込みを確かめる。
- 会社員の人は、退職の時期と、給料からの天引きが終わったあとの納め方を勤務先に確かめる。
- 出国前に全額を納めるか、日本の家族などを納税管理人にするかを決め、納税管理人を決めたときは市区町村に申告する。
- 転出届を出す(「日本を出る前の手続き」)。
費用
税率と均等割の標準は次のとおりです(2026年10月時点)。実際の額は市区町村によって違います。
- 所得割:10%(標準)
- 均等割:4,000円(標準)+森林環境税1,000円
日本とのちがいと注意点だよ!
- カナダの所得税は、その年の所得をその年の分として翌年に申告します(「確定申告(Tax return)の基本と期限」)。日本の住民税は「前の年の所得」に「1月1日の住所」でかかるため、出国後に請求が来る形になります。
- カナダで暮らしている間の日本の住民税は、1月1日に日本に住所がなければかかりません。日本の所得税で非居住者になるかどうかは別の話で、「日本の所得税と非居住者」で扱います。
- カナダ側で税務上の居住者になるかどうかは、CRAの基準で判断されます(「税務上の居住者の判断」)。
- 出国の時期の決め方や、税金の個別の計算は、市区町村の住民税の担当、税務署、税理士に相談します。
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